もっとも印象に残ったのは女子シングルのエリザべータ・トゥクタミシェワ選手のフリー演技だ。トゥクタミシェワ選手はシーズン最高となる153.89点をマークし、1位となった。またトゥクタミシェワ選手はショートプログラムでもミスのない演技を見せたが、こちらは紀平梨花選手に1位を譲る形となった。
「まさに女帝の滑りです。ここまでやり切れるのをどれほど待っていたでしょう。そしてどれほどトレーニングしたでしょう。今シーズンはずっと良い状態で、いつでも良い演技ができるはずでした。プログラムに関しては色々悩みを抱えていたことでしょう。しかし彼女の状態を見れば、トリプルアクセルをもう一回跳べたと思います。このルッツは本当にものすごいジャンプです。彼女は、シニアのすべての女子たちにチャンスを与えたと思います」。トゥクタミシェワ選手の演技について、ロシアのコーチ、タチアナ・タラソワ氏はこう指摘した。
一方、ペアのナタリア・ザビヤコ/アレクサンドル・エンベルト組はショートプログラムで首位に立ったが、フリーでは2位だった。このペアについてタラソワコーチは、「今シーズンは色んなことが重なりました。アレクサンドルが病気になりましたが、復活しました。よく頑張ったと思います。ナターシャの方も大きなけがに泣きましたが、こちらも回復しました。ペア選手というのはそのような運命にあるのです。もしトリプルサルコウをやっていたら、ナターシャはそれでも間違いなく失敗していたでしょう。来シーズン、4回転を再び跳べるようになるとは思いません。新しい世代が現れるはずです」とコメントしている。
アイスダンスのヴィクトリア・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ組はショートでもフリーでも2位だった。カツァラポフ選手は「もちろん2位という結果になり悔しいです。団体戦というのはスポーツとして興味深い団体の戦いですからね。しかし福岡で出場したのは実質、サブメンバーのチームです。ロシアフィギュア界の主要な選手は出場することができませんでした。もしリーダー格の選手が出ていれば、もっと上位に入ることができたでしょう」と述べた。