ロシア西部の飛び地で保養地のゼレノグラーツク市(カリーニングラード州)が、黒猫のケンちゃんと茶トラ猫のゴウちゃんを付き添いといっしょに正式に招待した。伝統的な祝日「ゼレノグラーツクの猫の日」が祝われる3月に、バルト海沿岸のこのリゾート地に招きたいのだという。
「祭日、ミュージアム関連のプログラムがてんこ盛り。このほか、地元の“兄弟姉妹”と、世界で唯一の、市の『猫課長』、スヴェトラーナ・ログノワさんと交流できる。街の散歩もできるし、ここには猫絡みのアートオブジェがたくさんある」。同市のネコ博物館『ムラリウム』のセルゲイ・シャラノフ館長は伝え、さらにこう付け加えた。
「私たちは、かの地の美術館の館長さんから、たいへん心温まる返書をいただいた。お申し出に心から感謝するが、尾道市では、出不精のケンちゃんとゴウちゃんはこんな長旅には耐えられないだろうと心配しているため、申し訳ないが渡航できないと記してあった」
しかしこれでも、猫の世話を焼きたがるゼレノグラーツク市民は止まらない。今度は、ケンちゃんとゴウちゃんのために、地元名産の琥珀で、2匹の名前入りの首輪を制作。おまけに猫小屋まで作られた。
「私たちの文通と交流が、時とともに両市民の堅い友情に育っていくと期待している」。セルゲイ・コシェボイ・ゼレノグラーツク市長はこうコメントしている。
「太陽の宝石」で作られた首輪の小包は、郵便局の話では、2週間ほどで日本に着くだろうという。しかし、猫小屋のほうはちょっと難しいことがわかった。経済特区の法律によれば、このうした大きな荷物をカリーニングラードから無関税で送るためには、小屋の建材がすべてこの地域で生産されたことを証明する書類が要るのだという。
そのため、ゼレノグラーツク市役所によると、モスクワでまったく同じ小屋を組み立て、そこから日本に送ることに決める一方、すでに組み立て済みのものはゼレノグラーツク市中心部に設置することに決定。
ゼレノグラーツクが日本の猫の運命に熱い眼差しを送っているのは偶然ではない。この都市は「猫の町」と呼ばれている。ここには、ネコ博物館「ムラリウム」があるし、世界で唯一の「猫課長」も働いている。これは野良猫の世話をするスペシャリストだ。
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