マジメな調査第1弾:一般のロシア人は出国を許されているのか?

Sputnik; Getty Images; Anna Jurkovska
 ロシア・ビヨンドは、読者から寄せられた質問に答えるために、新シリーズ「調査」を始める。当編集部は最近、「ロシア人はロシアから出国することを許されているの?」という質問を受けた。もっともな質問だ!確かにほとんどの場合、それは断固「いいえ」なのだ…。が、この難問はもっと詳しくマジメに検討する必要がある。

1.出国を許せば国家の統合が脅威にさらされる! 

 一つはっきりしているのは、ロシアからの出国を許せば、ロシアの「民主主義」を危険にさらすということだ。考えてもみてほしい。ロシア国民が国境を越えて自由世界を訪れると、ロシア政府はその暗い秘密を暴露されるリスクを冒すことになる。

 つまりロシア国民が外国人と交流し、ロシアの生活が本当は恐るべきものであることをバラすとしたら、その損失はどれほどか考えてほしい。Facebookにはたちまち真実があふれ、ロシアはソーシャルメディアの攻撃からサバイバルすることはできまい。

 あなたは次にこう質問するかもしれない。「ハリウッド映画など、ロシア以外で見たロシアの有名人はどうなんだ?」。あるいは、 「いつも自分はロシア人だと言っていた僕の友達はどうなのさ?彼らはウソをついていたの?」

 あなたはここで座り込んでしまうかもしれない。こう言うのは当方としても簡単ではないのだが、実は、ロシア人だと言い張っているのをあなたが見た人たちは、ロシア人なんかではなかったのだ。 

 なぜなら彼らは人間でさえないからだ! 

 あなたが出会ったロシア人は、アメリカ映画「ブレードランナー」の人造人間「レプリカント」に似たものなのである。あなたはニュースで聞いていると思うが、わが母国ロシアの国庫のほとんどが国防費に使われている。その努力の最先端は、ロシア版「レプリカント」を創造するプログラムなのだ。つまり、実際のロシア人をコピーしたアンドロイドだ。でも、本物みたいに上手にしゃべるし、おまけにロシアについて良いことばかり言う。たとえば、「ロシアにお出で。君はきっと好きになるよ」とか「ありがとう(スパシーボ)、ご健康のために」とか、その他予めプログラミングされている文句をしゃべる。プーチン大統領がこの文句の選択を管理したそうだ。

 この陰謀は秘密裏にすごく進んでいて、1億5,000万人のロシア人にしか知られていない。これらの親密な仲間内以外には誰も知らない。そして、今はあなたも知っているわけだ。

2.民主主義は健康に悪い 

 我々は皆、ホモ・サピエンスに属しているわけだが、教科書には次のことが書いてない。すなわち、ロシア人の肌は「外気」に弱いのだ。「本当の民主主義」の酸素は、ロシア人にとっては、開いた傷口に酢を注ぐように感じる。 

 「本当の民主主義」を支持するのは、人口の約3%にすぎない。彼らが「平等」を推し進めようとする、その空間は、ロシア人の健康にとくに悪影響を及ぼすのだ。

 これに関連し、あるとりわけ厄介な事件が、ロシアの秘密警察「ロシア連邦保安庁」(FSB)のエージェントに起きた。彼の使命は、ヨーロッパでの、大観衆を集めたバスケットボールの試合で、ターゲットを排除することだった。

 選手たちがコートに駆け込んできたとき、彼は、数千人の静まり返った、あるいは困惑した様子のファンを眺めつつ、いったい何がどうなっているのか分からなかった。ある選手は飛び切り小柄で、別の選手は思い切り太っていた。また他の選手は片足で、シャム双生児もいた。

 ロシアのエージェントは、自分の目が信じられなかった。ゲームのルールがいかなる形でも守られ得ないことに観衆は気付かないように見えた。そのかわりに観衆は皆、ツイッターでせっせと発信していた。なるほど、実際のバスケットボールとはちょっと違うが、「多様性」がそこにあるというので、喜んで伝えていたのである。

 ロシア・ビヨンドが入手した機密情報によると、エージェントがこれを目撃したとき、彼の手の皮膚はほとんど溶けていたという。しかし彼は、生きて妻子のもとへ帰れたので幸運だった。

3.今の本当のロシアは

 もしあなたがここまで読んでくれたとすれば、2つの可能性がある。まず、あなたは書いてあることを鵜呑みにした(もしそうなら、専門家の助けを求めたほうがいいかも)。あるいは、とりあえず文章の最後まで付き合ってみようと決めたか。つまり、なぜ我々がこんなことを書いたか見極めるためだ。もっとも、そのほうがあなたはいよいよ時間を浪費することになるわけだが。

 実際には、ロシア人は、他の立憲民主主義国家と同じく、一定のルールにしたがって国を離れることができる。法律を犯さないかぎり、好きなように自由に出国できるのだ。

 その点での目立った例外は、軍事アカデミーに入った者や、とくに連邦政府で働いている人だ。彼らは出国の許可を得なければならない。また、重要な任務に就いている連邦の軍・治安機関の職員は出国を許されていない。しかし、これは大抵の国と同様だが。

 これ以外の出国制限も、他のオープンな社会とあまり変わらない。機密情報にアクセスできる者、兵役に就いている者、陪審員を務めている者などが含まれる。さらに、法的規制を回避しようとする者、公式文書に虚偽の情報を与えた者も、その対象となる。

 要するに、こう言ってはなんだが、ロシアは北朝鮮ではないのだ…。

もっと読む:

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる