サンクトペテルブルクで野菜を食べる:ヴィーガンとヴェジタリアンのためのレストラン

ライフ
マリア・スタンブラー
 ペテルブルクは菜食主義者たちの聖地とはいえないが、クルエルティ・フリー(動物犠牲のない)の食事はロシアの北の都でもトレンドになりつつある。

 わずか数年前まで、サンクトペテルブルク(ロシア全土といってもよい)では、ヴィーガニズム(絶対菜食主義)は、控えめに言って、あまり知られていなかった。しかし「ロシア人は鞍をつけるのは遅いが、走れば早い」という慣用句があるように、クルエルティ・フリーというコンセプトがやって来ると、それは嵐のように街中を駆け抜け、いまでは動物を愛する人々に親しまれるいくつもの場所が生まれている。

Zeleny Sad

 「グリーン・ガーデン」という意味の名前を持つこのレストラン、メニューを見るまでもなくどんな場所か分かるだろう。多くの植物が飾られた広々としたこの店は、ヴィーガン&ヴェジタリアン&ヘルシーレストランであり、オーガニック関連商品と花を売る店である。もちろんメニューには、ありとあらゆるサラダやスムージーなどが揃っているが、マヨネーズが使われたサラダ、またオリヴィエサラダ、シーザーサラダといった肉が入ったサラダもヴィーガン用にアレンジして提供しているほか、ヴィーガンそしてローヴィーガン(自然にあるものを加熱せずに食する絶対菜食主義)のためのピザやパスタ、ラザーニヤなども数多い。

Ukrop

 お金をかけずに野菜を食べたいなら、「ウクロップ」へどうぞ。リラックスしながら、財布を気にすることなくヘルシーな食事ができる場所である。ヴェジタリアンである調理長のイワン・ドゥプコフさんは世界中から集めた健康的な食材にこだわっている(チアやキヌアは南米から、タピオカはアフリカから、キクラゲや味噌はアジアからそれぞれ輸入している)。

Botanika

 カフェ「Botanika」はサンクトペテルブルクでもっとも古くからあるヴェジタリアン・レストランである。国際色豊かなメニューには100以上の品目があり、またアーユルヴェーダの原理に基づいた最新のグルメ料理が自慢である。オーダーする料理を選ぶのに困らないよう、メニューはロシア料理、イタリア料理、インド料理、和食、中東料理、アメリカンとカテゴリー分けされている。

Jiva Project

 「Jiva Project」はハレクリシュナ軽飲食店の小さなチェーンレストランで、「カフェ・アナンダ」と「ジヴァ・バーガー」2軒から成る。ガッカリしない野菜のバーガーを食べたいという人には、中心部にあるこの2軒のジヴァ・バーガーのどちらかをお勧めしたい。メニューはすべてお肉を使わない料理で、6種類のバンズ、8種類のトッピング、そして驚くほど多彩な具を自分でチョイスし、自分だけのオリジナルバーガーをオーダーすることができる。「カフェ・アナンダ」では、ヨーロピアン、アジアン、中東のサラダやスープ、メインディッシュ、デザートを幅広い選択肢の中から選べる。

ZEN Vegan Burger

  「ZEN」はチベットの僧から入手した秘密の素材を使っていることから、間違いなく最高のヴィーガン・バーガーを提供してくれる。価格もそれほど高くなく、ミニバーガーなら、1.5ドル(およそ165円)で買える。しかしお腹が空いているなら、大きなアヴィニョン・バーガー(8.5ドル=およそ935円)をオーダーできる。メニューにはロール、サラダ、スープ、ファラフェル(ひよこ豆またはそら豆でできたコロッケのような中東の料理)、ヌードル、ロシアの伝統料理のひとつであるワレニキなど、バーガー以外のものもあるので、すべてを試しに何度でも訪れることができる店である。

RA Family

 素晴らしいことに、ローヴィーガンを好む人びとの要求を満たしてくれる場所がサンクトペテルブルグの中心部にある。この「RA Family」ではローヴィーガンのスープ、サラダ、メインディッシュ、そしてデザートの幅広いメニューが用意されているが、ヴィーガンおよびヴェジタリアンの品も豊富に用意されているため、菜食主義の友人たちと一緒に訪れることもできる。

Loft Project ETAGI

 サンクトペテルブルクでもっとも古い芸術愛好家のための店の一つ。リゴフスキー大通りにあるクリエイティヴな空間は、ヴィーガンのための露店を生んだ場所である。「Hood Street Food」はヴィーガン・バーガーやロール、ホットドッグなどを出す。「Veggie Box Food & Bakery」は完璧なヴィーガン・カフェで、ヘルシーなファストフード(ピザ、バーガー、ラザーニヤ、スープ、サラダロール、多彩なデザート)を提供する。

Troitsky Most

 「Troitsky Most」は中心部に3ヶ所の店を持つ。最初の店舗がオープンしたのは1997年だ。幅広いメニューと快適な雰囲気で、レストランは朝食にもランチにもディナーにも最適な場所となっている。加えて、レストランではアコースティックコンサート、映画の上映など興味深いイベントが開かれている。

Kuznya House

 「Kuznya House」はヴェジタリアンおよびヴィーガン料理に加え、お肉を使った料理も用意しており、菜食主義者たちが、異なる考えの友人や家族と来るのにも最適な場所である。2018年5月に、有名なオーストラリア人シェフのグレン・バリスが厨房を一任されるようになってからは地元の、旬の食材に注目している。レストランはサンクトペテルブルクに新たに作られたレクリエーションとアートとレジャーのための場所となっているニュー・オランダ島にある。