ワールドカップ2018を史上最高の大会にした名場面25選

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トミー・オカラガン
 もう閉幕したとはいえ、にわかにワールドカップ熱を手放すことはできない。笑い叫びたくなるような、そしてサッカーボールを今すぐ手に取りたくなるような、そんな名場面を振り返ろう。

 第25位:アルゼンチンのファンに祝福されたロシアの新婚夫婦

 結婚式でバンドに演奏を頼むのは少し値が張りそう?次のワールドカップまで待とう。そしてアルゼンチンのファンの前で結婚しよう。彼らは喜んで無料の音楽を奏でてくれる。

第24位:プーチンの行動ほとんどすべて

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が観戦したのは2試合だけだが、どちらの試合でも話題を掻っ攫っていった。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の面前での大統領のうぬぼれた態度はインターネットを炎上させた。

 「あ、ごめん」

 そして決勝戦後の表彰式では、フランスとクロアチアの大統領がずぶ濡れになる中、プーチン大統領は印象的な傘を持っていただけでなく、その傘を掲げてくれる付き人まで従えていた。

第23位:イングランドが(ようやく)PK戦で勝利

 決勝トーナメント初戦のイングランド対コロンビア戦では、シナリオが見えていた。遅い時間帯にゴールを奪われ、延長戦では好機を逸した。待ち受けるものは、PK戦敗退?

 今度は違った。イングランドがワールドカップで初めてPK戦を勝ち抜いたのは、ファインセーブを見せたゴールキーパーのジョーダン・ピックフォード、祖国に勝利をもたらすゴールを決めた控えのエリック・ダイアーなど、思いがけない英雄たちの活躍のおかげだった。緊張感は本物だった。

第22位:ブラジルのファンが自国代表チームのホテルの外で騒音を轟かせる

 ブラジルのファンは、今年のロシア大会で特に賑やかで印象的な人々だった。ベルギーとの準々決勝を観にカザンにやって来たファンらは、ブラジル代表を一層鼓舞するため、チームが宿泊するホテルの外で一夜を過ごした。その時の雰囲気を味わうにはこちら。

第21位:アイスランドのバイキング手拍子

 アルゼンチンとの初戦を前に、3万人のファン(総人口の約1割)がモスクワのスパルタク・スタジアムの外に集まり、トレードマークのバイキングの見事な儀礼を披露した。アイスランド代表が1得点を決めて試合を終えたのも頷ける。

第20位:セネガル式ウォーミングアップ

 あるチームは、試合前に徹底したストレッチやワンタッチ・ゲームでウォーミングアップをする。またあるチームは、そう、踊る。今大会の「最も幸せで賞」を受賞するのは……。

 この文化は明らかに、ファンたちにも波及している。

第19位:閉会式でロナウジーニョがウィル・スミスのお株を奪う

 閉会式でテンポの速いオペラで歌唱されたロシア民謡の「カリンカ」は見ものだったが、サッカー界のレジェンド、ロナウジーニョがサプライズで登場し、歯を見せながら笑顔でボンゴの腕前を披露したことで、ショーは完成形となった。

 この顔を見て、少しも幸せな気分にならなかったなどと言えるだろうか。

第18位:自国代表の歴史的快挙に動じないロシアのホットドッグ愛好家

 想像してみよう。あなたはワールドカップの決勝トーナメント初戦を観戦していて、あなたの国の代表がスター選手揃いのスペイン代表を相手に、延長戦に突入するところを。何を考えるだろう。おそらく食べ物のことではないはずだ。 しかし、これらの目立つ服装をしたファンらにとっては、空腹を満たすことが最優先課題だった。彼らはその努力を買われて、ロシアでは今大会のインターネット・ミームになった。

第17位:日本が決勝トーナメント初戦でベルギーの度肝を抜くも、惜敗

 グループGを首位通過した優勝候補のベルギーが、決勝トーナメント初戦で日本と対戦した。最もつまらない試合になるだろうというのが大方の予想だった。我々はなんと浅はかだったか。これはものすごい試合になった。日本は後半の早い時間帯に華麗な2ゴールを決め、歴史的な下克上を果たす勢いだった。

 が、成らなかった。ベルギーはチームでも特に身長の高いフォワードを並べ、ゲームを3対2にひっくり返した。何たる反撃。そして勇猛な日本代表にとっては何たる悲痛。

第16位:大雨だ、ハレルヤ、大雨だ

 前評判の芳しくないままワールドカップ入りしたイングランドは、1990年以来28年ぶりに準決勝に進み、祖国のファンを熱狂させた。結局トロフィーを国に持ち帰ることはできなかったが、イングランドがクロアチアに敗れる前、キーラン・トリッピアーの準決勝でのゴールで、ハイド・パークではロンドンのビール供給量の半分が宙に舞った。

第15位:ルカ・モドリッチはやはりルカ・モドリッチだった

 2018年は、毎回のように「ダークホース」と呼ばれてきたクロアチアにとってようやく機が熟した年だった。ワールドカップ準優勝国の成功の鍵は、優れたキャプテン、ルカ・モドリッチだ。彼は今大会の最優秀選手としてゴールデンボール賞を持ち帰っただけでなく、我々に多くの思い出をくれた。アルゼンチン戦での華麗なプレーもその一つだ。

第14位:4対3でフランスに敗れ、メッシが今大会から姿を消す

 エンバペ、ペナルティー、もちろん! ディ・マリア、なんてゴールだ! パヴァアアアアアアアアアアル!!!!

 何という試合。正直なところ、この騒乱の後我々は皆少し座って落ち着く必要があった。

第13位:エンバペが飛ぶ

 19歳のセンセーションは、フランス対アルゼンチン戦でおそらくあらゆる音と光の障壁を破った。少なくとも、カメラマンは彼を追うのにかなり苦労していた。

第12位:ネイマール劇場

 誰もが、ワールドカップを席巻するブラジル人フォワードの姿を思い描いただろう。彼は強い存在感を示したが、むしろ今大会の彼は、わざとらしいダイブで人々の記憶に残るだろう。彼が今なお転がり続けているという噂も……。

第11位:ベルギーがブラジル人の心を打ち砕く

 ネイマールの迷演技はさておき、ベルギーとの準々決勝前、ブラジルは無敵に思われた。赤い悪魔たちは、王のごときパフォーマンスでブラジル人に衝撃を与えた。ティボー・クルトワの息を呑むような華麗なセーブ、決勝点を決めたケヴィン・デ・ブライネの鮮やかなシュート。ベルギーの「黄金世代」は準決勝に進み、最終的には3位という成績を残した。

第10位:神の足

今大会のロシア代表は期待を大きく上回るパフォーマンスを見せ、決勝トーナメント初戦のスペイン戦での忘れ難い勝利という戦利品を得た。最も印象的だったのは、キーパーのイーゴリ・アキンフェエフのPK戦でのセーブだ。その足技は、ロシアの歴史のページに永遠に刻まれるだろう。

第9位:神の指

 否、ロビー・ウィリアムズのことではない。

  アルゼンチンにとって不運なことに、メディアを賑わせたのはメッシよりもマラドーナだった。2対1で勝利したナイジェリア戦で、彼はスタンドで面白い身振りを連発していた。

 落ち着け、ディエゴ。

 第8位:ロナウド(とコスタ)が場を支配する

 おそらく我々は、大会4試合目にして最高の試合を目撃した。

 スペインに対するポルトガルの爽快な3対3のドローゲームは、サッカーの真骨頂だった。長距離ゴール、滑らかなパス回し、おそらく史上最高と称賛される選手と争うストライカーの昔ながらのいじめ。グループリーグの幕を開ける厳かな一戦だったが、ロナウドの素晴らしいフリーキックは試合の幕切れに相応しいものだった。時代の一戦だ。

第7位:スタジアムで家事

 もし「粋な行いで賞」があれば、きっとセネガルと日本のサポーターが受賞したことだろう。彼らは試合後スタジアムの清掃に時間を取った。

 これが他のファンの間でも広まりますように!

第6位:謙虚なカンテ フランスのンゴロ・カンテは「サッカー界で最も人柄の良い男」と呼ばれる

 これが裏付けられたのは、大会の最優秀選手の一人としてワールドカップで優勝した後に、カンテはチームメイトのスティーヴン・エンゾンジからトロフィーを渡された。カンテはチームメイトの写真撮影時間の邪魔をしたくなかったため、遠慮していたのだ。

 5、6秒持っただけで、カンテはチームメイトがフランスのエマニュエル・マクロン大統領と写真を撮るのを遮らないようにしていた。

 素敵だ。

第5位:ミシー・バチュアイのタクシー

  今大会のお祝いだ。気楽にご覧頂こう。効果を最大限にしたければ、スローモーションでどうぞ。

第4位:セーブ、嗚呼セーブ

ゴールを決めた選手らが称賛をほとんど独占しているが、ここで少し、今夏我々が目撃した伝説的なセーブのいくつかを振り返ろう。 初めにピックフォードあり。

 そしてクルトワあり。

 ロリスやアキンフェエフもトップ・セーバーとして名を連ねている。キーパーよ、立ち上がれ。

第3位:実現しなかったスローイン

 一世一代の大試合のアディショナルタイム。1対0のビハインド、ゴールにつながり得るスローインを獲得する。あなたならどうするだろう。イランにとって不幸なことに、ミラン・モハマディーはこの手段を選んだ。

  タイミングには疑問符が付くが、彼がこれを選んで(そしてすごすごと引き下がって)くれたことを、我々は大変嬉しく思う。誰かにこの動画の10時間版を可及的速やかに作成してほしい。

第2位:スペインを破ったロシアが爆発

 出場国中最低ランクでワールドカップに臨んだロシアは、2010年の王者スペインに対してホームグラウンドで劇的な勝利を収め、準々決勝に駒を進めた。この想定外の勝利に、ロシアでは史上最大級のお祭り騒ぎが起きた。

第1位:不死身のフランスがトロフィーを持ち帰る

 疑いの余地があっただろうか?

 フランス代表は大会の序盤から冷静かつ巧妙で、強豪クロアチアに対して4対2で勝利し、ワールドカップを完璧に締め括った。近年のワールドカップで最高の決勝戦であり、選手とファンはまるで明日が来ないかのように浮かれ騒いだ。

 閉幕後のこの喪失感。ワールドカップ2018はそれほど感動と興奮に満ちていた。