「外国人は直情径行だ!」AirBnbで部屋を貸したロシア人たちの物語

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 人気のウェブサイトを使って日極めで住居を貸したロシア人たちが、ロシアのサービス、ワールドカップに伴う値上がり、外国人宿泊客との関係、外国人とロシア人との違いについて話してくれた。

 住宅を短期間賃貸できるサービスとして世界で最も人気のあるウェブサイトの一つAirBnbは、ロシア市場で7年間営業している。2018年4月現在、このサービスはロシア諸都市の42000件の広告を出している。サッカー・ワールドカップを目前に控え、開催都市ではアパートの本格的な争奪戦が展開しており、サービスのサイトには多くの新しい広告が現れている。ロシア人の中には、一時的に親戚や友人のところに移動して、外国人観光客からお金を儲けようと考えている人もいる。また、投資目的で新しい部屋を買う人もいる。

 ロシア・ビヨンドは人気サイトのベテラン利用者たちに、外国人に住居を貸すとはどういうことか、また誰にとってもワールドカップで稼ぐことが重要なのかという点について尋ねた。

 

「概して誰も怖くない。パスポートのコピーの提出さえ求めない。」

 「私は10年間個人で旅行会社を経営しており、こうしたサービスを使って顧客に宿泊場所を割り当ててきました。ですが常々、自分で彼らを受け入れたいと思っていたのです。そこで私と夫はアパートを2室購入しました。さらに3室目を買う予定です。」こう話すのはサンクトペテルブルクのイリーナさん。彼女の物件は2つとも街の中心の歴史的な建物にあり、専ら外国人を受け入れている。

 「部屋は投資のつもりで購入し、部屋中に昔ながらの魅力が感じられるようデザイナーを呼びました。ヨーロッパ人はこういう点を重視しますので。私の物件の一つは古き良きペテルブルクの様式で、高い天井、重いカーテン、エルミタージュと同じ壁の色、照明、階段、高めの幅木が特徴です。もう一つの物件はロマンチックなパリの様式のマンサード式屋根裏部屋です」とイリーナさんは言う。 

 「私自身よくヨーロッパへ行くため、彼らに何が必要なのかは分かります。一番重要なのは場所、清潔さ、快適さです。それ以外はボーナス。ちなみに変な苦情をよこすのはロシア人だけです。モスクワのある若者は、冷蔵庫の冷却が不十分でクラフトビールがキンキンに冷えていないと文句を言ってきました。私は一体どういうわけかとググったほどです。しかしこれは例外的で、宿泊客はふつう部屋に相応の敬意を払ってくれます。たぶん、どれほどの愛を込めて準備したかが分かるからでしょう。私は自分で掃除をし、メールのやり取りをして予約を受け付け、出迎えます。パスポートのコピーを確認せずとも相手を信用できるようになりました。サッカーファンも怖くありません。彼らが他の皆とどう違うというのです。すでにワールドカップ期間中の予約を7件受け付けました。彼らを迎え入れるし、必ず滞在登録もします。法律ではこれに3日かかりますが。規則がある以上、私はどこにも逃げ隠れしません。うちの宿泊客がスタジアムで引き止められてトラブルになったら、呼び出される覚悟があります。」

 

「理解してもらえないのがとても不安……」

 ロシア人と外国人の違いについて、サンクトペテルブルクのパヴェルさんは、ヨーロッパ人客は「ロシア人より困惑することが少なく」、彼らの中にはポジティブな点のほうが多い、と指摘する。

 「ロシア人客は何か一つでも不便なことが起きるとポジティブでなくなり、すべてに対して目に見えて懐疑的になります。それからロシア人はあらゆるものに(ホステルにさえ)贅沢を求めていますが、ヨーロッパ人は一泊120ユーロで過ごし、ほとんど何にも手を付けず、バスタオルすら使わないこともあります」と彼は言う。

 「ある時私はスイス人を空港に送るためタクシーでアパートまで迎えに行きました。すると彼らは入り口のところで腰掛けていました。つまりそこまで椅子を2脚引っ張り出してきて裸足で座り、マグカップで紅茶を飲んでいたのです。閉鎖的なロシアの文化では、この振る舞いは全く不愉快でした。」こう振り返るのはサンクトペテルブルクのもう一人のイリーナさん。彼女の物件はプーシキンや画家のヴルーベリゆかりのコロムナ歴史地区にある白いマンサード式屋根裏部屋だ。

 「私には本業があります。部屋を貸す一番の目的は交流です」と彼女は言う。「私はこの点にこのサービスの醍醐味があると考えています。マリインスキー劇場のチケットを取るのを手伝い、自転車のレンタルの仕方を教え、普通の旅行客が訪れない秘密の場所について話す。これが私の仕事です。」

 イリーナさんは宿泊代を1.5倍引き上げた(現在は一泊170ドル)が、「よそがどうか」は知らないという。今のところワールドカップ期間中の予約は一つもない。「やはりここは本格的なロマンチックな屋根裏部屋だし、中心からもバルからも遠いから、きっとファンはイベントで溢れた場所を望むのでしょう。」

 

チャンス

 モスクワでは宿泊代が平均で3〜4倍値上がりしているとナタリアさんは言う。彼女はAirBnbで4室貸し出しているが、「今年は意図的に物件数を増やした」という。「部屋のほぼ全体、つまり廊下と部分的に台所、各室内に監視カメラがあります。寝室には設置していませんが。でも私は正直にこのことを事前に知らせています。英語で契約を結び、家具などの損害に備えて保証金を取っています。正直に言って、ファンたちが何をしでかすか怖いですから。でも稼ぎたい気持ちもあるのです。」

 ヴェー・デー・エヌ・ハーの傍に立つスターリンカにある彼女の部屋は普段一泊4000ルーブル(64ドル)だが、ワールドカップ期間中は11500ルーブル(185ドル)で貸し出される。サッカーファンの滞在登録はしないという。「物理的に間に合わないと説明しています。でもこのことを気にする人はあまりいません。すでに多くの予約が来ており、全員外国人です。ロシア人はいつも通り土壇場になってから動き出すと思います。」 

 現在ナタリアさんのためにメイドと数人が働いており、人々の宿泊場所を決めたり広告をチェックしたりするのを手伝っている。「この期間に街から出るのは怖いです。自分の従業員を見捨てるわけにもいきませんし。だから私たちはワールドカップ前後に順番に休暇に出ることにしました。どうなるかは予想がつきます。きっとてんてこ舞いでしょう。ましてや、私たちもしっかり稼ぎたいのです。こんなチャンスを逃すわけにはいきませんから」と彼女は話す。

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