多くの外国人がロシアの主要都市の公共交通機関が清潔でうまく運行されていることに驚く。ボリス・ホーソーさんは「空港からモスクワ中心部までの列車は清潔で、効率がよく、速度も早い。パリの空港からもこれほど効率の良い交通機関があればいいのに」と話す。
とりわけモスクワの地下鉄も非常に印象的である。ローロフ・オースティングさんは「まさに天国。きれいで、安くて、解りやすい。駅は大きくて、中にはシャンデリアやフレスコ画で飾られている宮殿のような駅がいくつもある」。
ロシア人は見知らぬ人には微笑まない。しかし冷たい外見をしていても実は感じがいい人であることがほとんどである。
オースティングさんは言う。「バーカウンターで働く女性、ウェイター、タクシー運転手・・・。彼らは、何か重要なことをしているのをあなたに邪魔されたかのような顔をしている。まるで、ため息をつき、迷惑そうな顔をするのが彼らの仕事であるかのようだ。しかし、たとえばあなたが常連客だと分かるようになれば(時間はかかるかもしれないが)、彼らは突然フレンドリーになり、笑顔を見せてくれるようになるんだ」。
一方で、ロシア人は(陰鬱な表情をしているにもかかわらず)必要があれば、見返りを求めることなくいつでも人を助けてくれる。
スーザンさんはこんなエピソードを披露してくれた。「シェレメチェヴォ空港に着いたとき、モスクワ行きのエクスプレス列車に乗ったんです。アジア風の容貌をしたロシア人男性の隣に座りました。モスクワが終着点かどうか自信がなくて、わたしは緊張していました。下手なロシア語でその男性に尋ねると、彼は厳しい顔つきで素っ気なく返事をしただけでした。しかしモスクワに着くと、彼はスーツケースを運ぶのを手伝ってくれ、地下鉄の入り口までの道を教えてくれました。しかもそれは彼の行く方向ではないのに、彼は地下鉄の中まで入り、チケットまで買ってくれたのです。それから、次にどこに行けばいいのか分かるまで説明し、チケット代も受け取らずに、手を振って去ってしまいました。わたしは本当に驚きました」。
モスクワはスリルがあって、ときに恐ろしいものだ。「モスクワ中心部の道路が広いのには驚きました。いくつかの道路は戦争中に飛行機用に作られたのだそうです。交通渋滞のときの16車線の道路はディワリ(ヒンズーの光のお祭り)のようですが、その一部になるのは最高のこととは言えませんね」。インド出身のラフルさんはそう話す。しかし、交通渋滞でイライラさせられても、ロシア人は大型のSUVを買うのである。
「西側の多くの国と違って、ロシアはわたしがこれまで訪れた国の中でもっとも民族差別の少ない国です。概して、肌の色や民族性、言語は、あなたがよくしているロシア人には関係ありません」。インド出身のサイカットさんはこのように語っている。
オーストリアから来たゲオルク・ドレニングさんは「警備のガードマンがあちこちにいる」とコメントする。確かにその通りである。ロシアには警察官と警備員が大量にいる。しかし彼らのほとんどは何もしていない。(その理由はこちらでどうぞ)
ロシアにある教会の数は病院の数と同等である(40,000)。「教会は、ロシアと言って一番に思い出すものではありませんでした。でもロシアのあちこちに教会があります。なぜそのことにこれほど驚いたのか分かりません(おそらくソ連時代に宗教が禁じられていたということを知っているからかもしれません)が、ロシアで見たすべての美しい教会や修道院に、わたしは心から感動しました」。オハイオ州出身のアマンダさんはそう話してくれた。
「多くのアメリカ人はロシアに関してある先入観を持っています。ロシアと言えば共産主義と冷戦を連想し、頭に浮かぶのはデザイン性のないソ連時代の建物と陰気な人々です」。そうコメントするのはハーヴェイ・スミスさん。
実際、そうだ。ロシア全土にソ連時代の「遺産」がある。しかしロシアには社会主義革命以前に建てられた素晴らしい建築物が残っていることにも気がつくだろう。アマンダさんは言う。「たとえばサンクトペテルブルグの広い通りとバロック様式の建物はパリを思わせるのです」。
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