9世紀末から10世紀初めにかけて、オレグ大公はノヴゴロド及び古代ルーシのキエフの地を治めていた(彼のことは、『ヴァイキング』のシーズン6でロシア人俳優ダニーラ・コズロフスキーによって描かれている)。オレグは賢い人間だと考えられ、未来を見通せると信じられていたので「預言者」と呼ばれていた。しかし、唯一分からなかったことは自分自身の死であった。
伝説によれば、オレグは自分が気に入っている馬が原因で死ぬことになると占い師に予言される。そのためオレグはこの馬を遠くへ追い出すことを命じた。そして数年後にこの馬は死ぬのだが、オレグはこの占い師を笑いとばしただけだった。彼はこの馬の墓を参ることにした。そして、彼は馬の骨に近づいた時、毒ヘビが馬の頭蓋骨からスルッと出てきて、オレグに咬みつき死に至らせた。
「原初年代記」に記されている古代ロシアの支配者についての別の逸話がある。10世紀の昔、キエフ大公イーゴリ1世はスラヴ部族から税を徴収している最中に殺されてしまった。そして妻のオリガは復讐を誓った。彼女はその部族に近づき、彼らの中心都市を包囲した。それでもうまく陥落させることができなかったため、オリガはあることを思い付いた。
彼女は、各家庭から3羽の雀と3羽の鳩を税として、というよりも贈り物として差し出せば、軍を引いて立ち去ると敵の部族に約束したのである。そして鳥を思い通り手に入れると、鳥の脚に燃えやすいものを括り付けるように命じた。夜になると鳥は放たれ、自分たちのいた茅葺屋根の木でできた家に戻って行き、町中はたちまちのうちに炎につつまれたのであった。
オレグ大公を殺した馬とは違って、ご主人様であるピョートル大帝の命を救った馬、リゼッタはロシアがスウェーデンと戦った北方戦争のポルタヴァの戦いにもピョートルと出陣した。スウェーデン軍がピョートルめがけて発砲したとき、リゼッタは方向を変えて脇に寄った。そのため敵の弾丸は馬の鞍と大帝の帽子をかすめただけに終わった。
イワン雷帝からピョートル大帝に至るまでのロシア皇帝、それに他の多くの皇帝たちも象を飼っていた・・・しかも、ただの楽しみのために。動物好きで知られていたニコライ2世も何頭もの象を持っていた!
彼が最初に手に入れた象は、1891年にアジア旅行をしたときのもので、その後、アフリカから別の1頭を贈られた。2頭目の象は長生きし、ツァールスコエ・セローで快適に暮らしていた。皇帝はこの象が近くの池で水浴びをするのを見るのが好きで、しばしば子供たち皆を連れて行ったものだ。この象は1917年の革命時に、ボリシェヴィキ政権によって帝国主義と贅沢を象徴するという理由で殺された。
高名なロシアの科学者で、ノーベル賞を受賞したイワン・パヴロフは実験のために何頭もの犬を飼っていた。しかし、心配には及ばず、犬たちは決して苦しめられることはなく、多くは寿命を全うした。これらの犬のおかげで、パヴロフは反射作用の研究を、条件を付けたものと、付けていないものとの2つのグループに分けて実験した。
犬に食事を与える時に、パヴロフは電球をつけた。しばらくして彼は電球をつけても食事を与えなかった。しかし、それでも犬は涎を垂らすのが観察された。
サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館には、今でもフワフワのネコが住み着いており、この美術館のシンボル的なもの、りっぱな追加的な特徴となっている。ネコたちはエルミタージュのネコの日にはお祝いをされて、訪れるすべての人の注目を浴びる。
もちろん、ネコたちが展示場を闊歩することはなく、1745年以来地下でネズミを捕って暮らしている!エリザヴェータ女帝はかつて「37匹の巨大ネコ」で冬宮(現在はエルミタージュ美術館となっている)の地下室に巣食っているモノを齧る動物を退治するように命じた、というのも薬品を使ってもネコほどの効果がなかったのである。
レニングラード包囲戦の大飢饉時に町にはネコがいなくなり、ネズミが溢れかえり、多くの病原菌を広めるためエルミタージュ美術館だけでなく一般市民にとっても大変危険な状態だった。そのため、5千匹のネコが集められ、シベリアからレニングラードに供与された。これらのネコの末裔が今でもエルミタージュ美術館に住んでいる。
1961年4月12日に偉大な宇宙への旅を成功させた最初の人類となったユーリー・ガガーリンよりも前に、生物がロケットで飛び立ち、無重力状態に耐える能力があるか試すために何匹もの勇敢な犬が宇宙旅行した。不幸にもすべての犬が地球に生還できたわけではないが、彼らの犠牲は科学の飛躍的進歩に寄与した。
しかしながら、ベルカとストレルカという名の犬たちは宇宙旅行を成功させた最初の動物になった。宇宙船スプートニク5号に乗って、この犬たちは宇宙に25時間滞在し、帰還するまで地球を17周した。ところで、彼らが選ばれたのは、とても可愛らしかったからであり、世界中がこの犬たちに魅了された。ジャックリーン・ケネディさえストレルカの子犬を望み、プシンカと名付けてホワイトハウスで飼っていた。
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