ロシア語の勉強は時間の無駄か。これはクオーラに掲示された実際の質問だ。人々の回答を見ながら、この論争に加わることにしよう。
やる気の問題
「趣味としてならやっても良い。実用的な価値は極めて低い。なぜならプーチンが死ねば、アメリカか中国がロシアを征服し、ロシア語は間もなく絶滅するだろうから」とアリーナ・カスプルというユーザーは皮肉たっぷりに答えている。
風刺はさておき、ロシア語を勉強するには確かに莫大な時間と膨大な努力が必要である。学習者が果てしない困難に直面することは言うに及ばない。キリル文字から文字の発音はもちろん、名詞の6つの格や語末の変化、3つの性、さらには動詞に立ち向かわなければならない。
こうした困難をすべて乗り切るには、強いモチベーションが必要だ。そして我慢強く、粘り強くならなければいけない。
「もし義務としてロシア語を勉強するなら、それは時間の無駄だ。ロシア語だけでなく、すべての言語に当てはまる」とララ・ノヴァコフというユーザーは素晴らしい回答を残している。「どんな言語も学習可能だが、学習の鍵は、その言語を愛し、かつその学習に努力を注ぐ覚悟があることだ」。これは人生のあらゆることに当てはまるだろう。
愛着を抱かなければならない。そうすれば、ロシア語学習は喜びにはなっても痛みにはならないだろう。そして、自分にとってロシア語学習に実用的な意味がないなら、それは本当に時間の無駄だ。アルツハイマー病予防の頭の体操を求めているなら、他の言語を選んだほうが良い。
ロシア語学習に実用的な動機を見出す
ロシア語に対する純粋な愛がないなら、実用上の理由を考えてみても良いだろう。
『戦争と平和』をロシア語で読み、レフ・トルストイと仲介者(=翻訳家)抜きで対話したいと思うかもしれない。これはイギリス人女性メアリー・ホブソンの実際の動機だ。彼女はなんと56歳でロシア語の勉強を始めたのだ。今や彼女は80歳近いが、複数のロシア語の本を英語に訳している。彼女が言うには、ロシア語学習によって、彼女には全く新しい世界が開けたという。
あるいはロシアへ旅行に行ってロシア人と交流したいと思うかもしれない。モスクワやサンクトペテルブルクの住民は英語が上手いが、地方へ行けばコミュニケーションに問題が生じ得るし、街路のすべての標識に英語が併記されているわけではない。ただ我々は、もしロシア語が話せなくても巧みにロシアを旅行するコツもご紹介できる。
またあるいは、ロシアへ出張に行ったり、ロシア人と取引をしたりすることがあるかもしれない。投資の機会は多く、ロシア国内外にロシア系企業の大きなコミュニティーがある。「ロシア語は世界でも非常に有益な言語で、ビジネスをしたり、中央アジア中を旅したりするのに便利だ」とグレグ・ケムニツという人物は記している。
はたまたロシア人の友人(または恋人)ができ、彼あるいは彼女をより良く理解したいと思うかもしれない。彼らはあなたがロシア語を話そうとするちょっとした努力を喜び、進んであなたを助けてくれるだろう。ロシア人の友達の心をつかむコツはこちら。
ロシア人と友達になることも、ロシア語を学ぶ動機になり得る。新しい友達ができ、彼らの家に招かれ、彼らのダーチャへ行き、彼らの親に出会い、さらにはバーブシカのボルシチをご馳走になる機会に恵まれるだろう。
ロシア語学習法:経験者のアドバイス
ミハイル・コトィホフは、ロシアで人と話すことに比べれば、文法学習は時間の無駄だと話す。「彼らは何か面白いこと、テレビで見るよりももっと胸が躍るようなことを教えてくれる。この美しい言語を人が使っているのを見ることは、決して時間の無駄ではない」。ミハイルは、ロシア語の曲を歌い、美しいロシア語の詩を読むことを勧めている。
アレーナ・ヴォイスは、ロシア語を習得するのに役立つ活動を列挙している。
「もしロシア語が面白い(実際面白い!)と感じ、その学習を楽しんでいるなら、やり続けよう。ただし、少し実用的な要素も取り入れよう」。
- ロシア出身の文通相手を見つける
- ロシア旅行を計画する
- 語学教師になる
- ロシアの音楽や映画を見つける
- ロシア語の諺を勉強し始める。そしてラテン語を引用した時のように、友人を驚嘆させる
一方、ロシア語を勉強すべきではない理由はこちら(勉強しない理由が思いつかない場合にどうぞ)。