アルタイ地方の伝統的なラム肉スープ「コチョ」の作り方(レシピ)

ロシア料理
ユリヤ・ムリノ
 体が温まる、本当においしいスープを飲みたい人に、このスープはぴったりだ。アルタイ地方に住む人々は多くの香辛料を使うことはしないが、それでも食材から最高の味を引き出す方法を知っている。

 アルタイ地方は手つかずの林や湖、果てしなく続く草原で知られている。自然の美しさが原始そのままの姿で残されているところは地球上でも数少ない。ここは山岳であり、気候は寒冷である。そこで、ここに住む人々は体を温めることのできる料理を作るようになった。

 コチョ・スープはアルタイ地方の生活においてなくてはならないものだ。祭礼や人が亡くなった時の葬礼などの重要なイベントで、コチョ・スープは招待客をもてなす食卓に必ず出される。

 このスープの特徴は、アルタイ料理全体の特徴と同じで、香辛料をあまり使わないこと。肉、ハトムギ、塩と水だけがこの料理を作る上で必要なものだ。

 もちろん、他のすべてのものと同様に、微妙なニュアンスがとても大事だ。ラム肉は骨付きに限る。たとえば、ラム肉はあばら肉か肩肉があれば最高だ。このような肉を使うと地元で「ミュエン」と呼ばれるとても濃厚な肉汁が出て、その中でハトムギが煮込まれ濃いチャウダー・スープになる。 

 しかし、最後に、テーブルに並べられるときにわずかな味が足される。野生タマネギが少し加えられるのである。新鮮なタマネギがないときには、乾燥タマネギでも良い。野生のステップオニオンはかすかにニンニク風味がある。野生のタマネギとしてはチャイブを使ってもよい。またつぶしたニンニクもコチョに加えると良い。

 食卓に出すとき、ハトムギ入りのスープをスープ皿に注いで、柔らかい肉は別の皿に盛られる。そして、カイマクと呼ばれるアルタイ地方のクリーム状の乳製品も添えられる。

 コチョ・スープは香辛料を入れなくてもとても風味が良い。ハトムギが特別な風味とミルクのような色合いを醸し出してくれるのである。ラム肉は柔らかく、口の中でとろける。寒い季節が始まると、体を温めるためには心温まる濃厚で熱いコチョを作るのが一番だ。

材料(23人分):

作り方:

1. 肉は洗って、冷水をかける。塩をふり、煮る。

2. あくがでてきたら、こまめにとる。鍋に蓋をして、肉が柔らかくなるまで、弱火で2時間半煮る。

3. ハトムギを水洗いする。インスタントの場合は、あらかじめ水に浸けておかなくてもよい。パッケージの調理法に従うこと。

4. 2時間半経ったら、肉と煮汁にハトムギを加える。ハトムギはパッケージに書いてあるよりも少し長めに煮る。ハトムギがより柔らかくなり、ブロスが濃厚になる。

5. 最後にニンニクを加える。

6. 肉をカットして、皿に盛り付ける。

7. 別の皿にスープを注ぐ。

8. コチョ・スープの出来上がりどうぞ召し上がれ!

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