ウリュシ:バシキールの新物野菜たっぷりスープ(レシピ)

Yulia Mulino
 夏真っ盛りの季節は、新鮮な採れたて野菜を使ったバシキールの伝統的なスープ、ウリュシを作るのに最適な時期。ヘルシーで、元気をくれる味わい豊かなスープを作ってみよう。

 バシキール料理はロシアの多くの民族料理の中で、もっとも有名でもっとも種類が豊富なものである。その料理は基本的に肉がベースになっているが、この料理では野菜が重要な食材として使われている。

 何世紀も前、遊牧民たちは火を囲んで、熱々の肉入りスープを調理した。この遊牧民が現在のバシキール共和国の住民たちの祖先である。ときどき、ウリュシに野菜を加え、種族の人々の間で分け合った。

 この伝統的なスープは今でも、共同体精神と団結のシンボルであり、互いに尊敬し合う近しい人々と食べ物を分け合うプロセスそのものを象徴するものでもある。ウリュシという名前は「一部」、「1人分」という意味を持つバシキール語の単語からきている。ウリュシという言葉は調理された肉を意味することが多い。食事のときに、誰もが同じ量の肉と野菜をブロスと一緒に食べることがとても重要である。

 このスープの基本的な作り方はいたってシンプル。まず濃厚な牛肉のブロスを作り、そこに大きめのジャガイモ、にんじん、キャベツを入れる。スパイスにはコショウとローリエを使うのが一般的である。

 先に挙げた野菜は1年中、いつでも手に入るものである。しかし、夏真っ盛り、新物野菜が収穫できるころに作るこのスープは特においしい。普通のジャガイモに加えて、皮がついたまま調理する新ジャガを加える。収穫したてのキャベツとにんじんがスープに新鮮な味わいを与えてくれる。

 ウリュシは新鮮なハーブと、半月切りにした生の玉ねぎを添えて供される。ここでは、自分の畑で採れた若くて甘い玉ねぎとフレッシュなパセリを使う。ウリュシは一皿目として出されることもあれば、二皿目として出されることもある。バシキールの伝統的なパイと合わせるととてもおいしい。

材料(2人分):

  • 牛肉 - 350 g
  • ジャガイモ –  大2個、新ジャガ – 数個
  • にんじん(小) –  2本
  • 新キャベツ – 1/2個
  • 玉ねぎ – ブロス用1/2個 
  • 新玉ねぎ(盛り付け用)
  • パセリ
  • 塩 適宜
  • 粒コショウ 適宜
  • ローリエ 3枚

作り方:

1. 水の入った鍋に牛肉を入れ、スパイスと塩を加えて、3時間半煮る。

2. ブロスに浮いたアクを取り除く。

3. 肉が柔らかくなったら、ブロスの出来上がり。

4. ブロスを濾す。

5. ジャガイモ、キャベツ、にんじんを粗く切る。

6. 野菜をブロスに入れる。

7. 野菜が柔らかくなれば、スープの出来上がり。

8. スープを皿に注ぎ、肉を加える。

9. 上からブロスを注ぐ。

10. 新鮮なハーブと甘い玉ねぎを加える。 

11. 召し上がれ!

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