古くから伝わるロシア風コロッケ:秘密の餡を詰めた魚のテリノエ(レシピ)

ロシア料理
ユリヤ・ムリノ
 昔のロシアでは魚のコロッケはどのように作られていたのか?そして現代の「テリノエ」はどんなもの?

 「テリノエ」とは、魚の挽き肉でつくる料理で、16世紀中ごろにはすでに、日常家庭生活について書かれた百科事典「ドモストロイ」に登場していた。その頃は、魚の挽き肉を、子豚、子羊、雄鶏、子ガモの木型で成形して、たっぷりの野菜油で焼いた。

 テリノエの作り方も実はいろいろあった。例えば、魚の挽き肉を香辛料、卵、小麦粉と混ぜてナプキンかガーゼに包んでソーセージの形にする。そして紐で固く括り、お湯に入れて茹でるのである。この料理はこれだけで出されることもあるし、より高級な魚やパイの詰め物としても使われた。

 そして、テリノエは、昔はご馳走であると考えられていて、貴族の屋敷で外国からの使節をもてなすために供せられた。しかし時とともにこの料理は忘れられていった。今では、テリノエと言えば、三日月の形をして中に餡が詰まっているコロッケの一種だとされており、餡としてもっとも一般的なのは、炒めたマッシュルームとタマネギである。

 ここでは、春バージョンの餡を青ネギと卵で作ってみる。一般的に、テリノエには白身の魚が使われる。わたしの一番のお気に入りはタラ。香りも良く、調理する時に繊維質の身が扱いやすい。

 このレシピは一見難しそうだが、カリカリとした表面と柔らく、甘い若タマネギが入ったクリーミーな餡に驚くだろう。是非試してみて。

材料(4人分、8個分)

魚の挽き肉:

フィリング:

パン粉:

作り方:

1. パン粉をクリームに浸す。

2. タラの切り身を細かく挽く。

3. タラの挽き肉にパン粉を加え、もう一度、挽く。

4. 卵と柔らかくしたバター、スパイスを加え、よくこねる。フィリングを作っている間、魚の挽き肉は冷蔵庫に入れておく。

5. ネギを刻んで、柔らかくなるまでバターで炒める。塩胡椒で味を調える。

6. 卵を茹で、フォークで潰す。

7. タマネギの粗熱をとり、卵に加え、混ぜる。

8. 挽き肉を8等分する(60gずつ)。挽き肉が手にくっつかないよう、水で手をぬらす。それぞれを小さなボール状にまとめ、手から手に移しながら、空気を抜く。塊がなく、きれいな形にする。

9. ボール状の挽き肉を上からそっと押して平らにし、スプーン1杯強のフィリングを置く。

10. コロッケをそっと閉じる。残りも同じようにする。

11. 1つのボウルに卵を割って、塩を加えてかき混ぜたものを入れ、別のボウルにパン粉をいれる。

12. まず、コロッケに卵をつけ、パン粉をまぶす。

13. 三日月型にしたら、残りも同じようにする。

14. コロッケをたっぷりの油を入れたフライパンで、中火で片面5〜7分ずつ両面揚げる。

15. 揚がったら、ペーパータオルで余分な油を取る。

16. 葉物野菜と一緒に、お好みのソース、レモンなどでいただく。

17. どうぞ召し上がれ!

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