このレシピがどこで生まれたかについては、名前を見れば一目瞭然だと思うかもしれない。しかし、実はこれはそう単純なものではない。実際、この問いははっきりとした答えのない謎に満ちている。この人気の一品の考案者には、フランス人シェフ、アメリカのロシア人亡命者、ソ連のレストランなど、多くの人物が挙げられている。
ロシアの文書にチキン・キエフが初めて引用されたのは1913年から1914年にかけての「家事雑誌」である。挽き肉の中にバターを1かけ入れ、卵とパン粉で覆って作られるものであった。この料理は内戦時代には忘れられていたが、第二次世界大戦後にフィレ肉で作られるようになった。これが現在、ロシア、そして全世界中でもっとも一般的なチキン・キエフの作り方である。
しかし、挽き肉を使ったレシピもかなりの人気がある。それはチキン・キエフをとても柔らかく作ることができるからである。かつて、肉は木製のミートマレットで叩いてから、そこにバターと生クリームを加えたが、現在は挽き肉を使うだけで、柔らかいチキン・キエフを作ることができる。
また甘いブリオッシュを使ったパン粉で作ると、絶妙な味になる。またクルトンの上に置いて盛り付ければ、秘密のフィリングを余すことなくキャッチすることができる。
オリジナルのレシピではスパイスはほとんど使わないが、黒コショウ、ナツメグ、ガーリックパウダーは最高の味に仕上げてくれる。
1. ハーブ類と生のニンニクを刻んで、塩少々を加えて、室温に戻したバター50gに混ぜる。
2. 長方形のプラスチック製の容器にラップを敷き、バターを平らになるよう流し込む。端を留めて、冷凍庫に入れ、1時間ほど冷やす。これでハーブ入りのバターの塊ができる。
3. 鶏肉を肉挽き器で挽き、塩、コショウ、ナツメグ、ガーリックパウダー、柔らかくしたバター100g、生クリームと合わせる。
4. すべてを混ぜ合わせる。クリームが溶けていたらボウルに入れ、30分冷蔵庫に入れる。
5. ブリオッシュをスライスする。オーブンまたはトースターで乾燥させ、砕き、パン粉にする。
6. バターと挽いた鶏肉を冷凍庫と冷蔵庫から取り出したら、ボウルを3つ用意し、それぞれに小麦粉、卵液、パン粉を入れる。
7. バターの塊を取り出し、固いうちにカットする。
8. 鶏肉は8等分(85gずつ)する。鶏肉は手にくっつきやすいので、手袋をはめて作業する。挽き肉をカツレツ状にし、真ん中に小さく切ったバターを置いたら、しっかりと閉じる。揚げている途中、バターが外に出てこないように気をつける。
9. カツレツに均等に小麦粉をまぶす。少し時間をおいて、繰り返す。
10. カツレツを卵液にくぐらせ、パン粉をつける。
11. チキン・キエフは出来立てをすぐに食べた方がよいので、すぐ食べない場合はこの状態で冷蔵庫に入れておく。
12. チキン・キエフを深鍋に熱した油(140℃)で揚げる。カツレツ全体を油の中に沈むようにし、4-5分揚げる。取り出す際に網杓子を使って油を落とす。焼き色がつきすぎないよう注意する。熱い油に水が入らないよう注意する。
13. クルトンの上にチキン・キエフを置いて盛り付ける。
14. 中に隠された秘密を楽しんで!
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