ソ連で生まれた人なら誰でも、このおいしいケーキを忘れることは出来ない。わたしも、祖母と一緒に「ボリシェヴィキ」という名のケーキ屋の前を通り過ぎた幼少のころをよく覚えている。立ち止まってちょっとお店を覗き込むと、偶然にこの愛らしい小さな黒い眼のぽっちゃりした頬に上向いた鼻を持ち、背中にハリがいっぱいのハリネズミが目に止まった。買ってとねだると祖母もお昼ごはんを残さずに食べると約束するならねとそれを買ってくれた。
ソ連時代、このケーキは、「森からのお客さま」と呼ばれていた。その当時、「霧につつまれたハリネズミ」、「Tryam! Hello!」、「If the stars are falling」など、多くのアニメの中に、優しい心を持った勇敢な小さなハリネズミの生活と冒険が描かれていた。
親友のアリサは、子どもの頃、誕生日にこのおいしいクリームケーキを食べたことを思い出し、いつもノスタルジックになると言う。その当時彼女は、大きくなったら菓子職人になることに決め、そのことで喜びいっぱいだった。時は過ぎ、数日前に、そのことを思い出し、たまらず彼女にレシピを教えてもらった。
彼女曰く、これを自分で作るのは難しくはないが、7種類の異なるレシピがあるのだという。わたしは、その中で、あまり難しくなく、クリーミーで濃厚でおいしく作れそうなものを選んだ。
ではそれを一緒に作ってみよう。レシピは一見難しそうで、失敗しそうに見えるが、自信を持って着実にやればおいしいケーキが出来上がるはず!
材料
- 小麦粉 400g
- バター 380g (生地用190g、クリーム用190g)
- 砂糖 120g
- クルミ 100g
- レーズン 50g
- アーモンド 100g
- カシューナッツ 100g
- 生クリーム 200g
- コンデンスミルクを煮たもの 1缶(380g)
- 卵 2個
- バニラ 10g
- 塩 ひとつまみ
- ベーキングパウダー 10g
- コンデンスミルク 大さじ3
- 冷水 大さじ2
- インスタントコーヒー 小さじ2
- ココア 大さじ3
- チョコレートチップ お好みで
- デコレーションパーツ お好みで
作り方
1. 最初にショートブレッドの生地を作る。冷やしたバターと塩、砂糖、バニラをすりおろし、卵、ふるった小麦粉とベーキングパウダーを加える。
2. 丁寧に生地をこね、形を保つ程度に柔らかくする。ラップで包んで、冷蔵庫に入れ、40分ほど休ませる。
3. 生地を肉ひき器にかけるか、薄くのばし、天板の上に置き、190℃に予熱したオーブンで25分焼く。
4. 生地を冷ましている間に、すべてのナッツ類を乾いたスキレットで数分炒める。ドライフルーツとナッツのミックスを使う場合は、ドライフルーツを取り出しておくこと。
5. 生地の2/3を手で5ミリ大にちぎる。
6. 残りの生地はブレンダーで砕く。
7. 次にクリームを作る。残りのバター(190g)を溶かし、煮たコンデンスミルク1缶に加える。ミキサーを使って混ぜる。
8. 大きめに砕いたクッキー生地にクリーム2/3、ナッツとレーズンを加える。
9. 生地を、写真のようなハリネズミの形に整える。表面に、残った生地と残ったクリーム1/3を塗る。
10. デコレーションする。ハリネズミの針を作る。ココアとコーヒーを水に入れ、生クリームとコンデンスミルクと一緒にブレンダーにかける。
11. シリンジにクリームを入れ、ハリネズミの背中に針をつけていく。顔の部分にココアをふりかけ、チョコレートチップで目と鼻をつける。お好みでデコレーションしたら、出来上がり。