柘榴石のブレスレット:ロシアの愛に敬意を示したケーキ(レシピ)

Olga Brovkina
 この美しいケーキは、ほんのり甘いチェリーのヨーグルトと濃厚でおいしいスポンジ、そしてきれいに飾られたしっとりとしたサクランボのゼリーで、素晴らしい暑い夏の日を思い出させる。

 柘榴石のブレスレットというのは1910年にロシアの作家、アクレサンドル・クプリンが書いた短編小説のタイトルである。叶わぬ愛、そしてすべての女性が憧れる誠実な思いが綴られている。そして、おそらくみなさんの想像通り、柘榴石のブレスレットは真の愛を象徴する重要な意味を持っている。

 料理好きな人の中にもクプリンのファンがたくさんいたことから、ファンたちは20世紀後半には、同じ名前のサラダが考案された。サラダはクプリンの小説を思い起こす一方で、主な材料であるザクロの種にスポットが当てられている。このサラダは有名な「毛皮を着たニシン」サラダやロシアサラダのように、お祝いの席で出されるサラダの一つとなった。

 最近、このサラダの「お菓子バージョン」のレシピに遭遇した。しかも、ザクロは一切入っておらず、ザクロに似せて作るのである。そしてケーキは、柘榴石のブレスレットのように見える。柘榴石の種のようでありながら、簡単に食べられるキラキラしたキュービック状のゼリーで表面が覆われているからである。ケーキはチョコレートのスポンジ、サクランボ、クリームから作られていて、驚くほど繊細でおいしい。

 この宝石のケーキは、酸味のあるサクランボと甘いクリーム、口の中で溶けるふわっとしたスポンジケーキというそのちょっと変わった組み合わせで誰もを魅了する。作り方は簡単とは言えず、時間もかかるが、時間と労力を使う価値のあるケーキであることは間違いない。

材料

生地:

  • 薄力粉 180 g 
  • 砂糖 180 g 
  • 卵(大) 4
  • ココアパウダー 25 g 
  • 水 70 ml 
  • ベーキングパウダー 5 g 
  • 塩ひとつまみ 

フィリング:

  • 種を取り除いたサクランボ 300 g 

寒天ゼリー:

  • 水 200 ml 
  • サクランボの汁 300 ml 
  • 寒天 7 g 
  • 砂糖 50 g 

シロップ:

  • 砂糖 大さじ
  • サクランボの汁 大さじ3

チョコレートアイシング:

  • チョコレート 90 g 
  • バター 60 g  

クリーム:

  • チェリーのヨーグルト 250 g 
  • 生クリーム(脂肪分3335%) 500 ml 
  • 砂糖 150g(お好みで) 
  • ゼラチン 20 g 
  • サクランボの汁 200 l 

作り方

1. ビスケットを焼くのには中に穴のある26センチのセルクルを使う。底にベーキングペーパーを敷く。

2. 生地を作る。水を沸騰寸前まで熱し、冷ます。薄力粉とココアパウダーを混ぜ、ふるう。

3. 卵を卵黄と卵白に分ける。

4. 卵白に塩ひとつまみ、砂糖大さじ2を加え、ツノが立つまで泡立てる。

5. 卵白は別のボウルに入れて泡立てる。泡立てながら、少しずつお湯に入れ、砂糖を加える。ふわっとするまで泡立てる。(卵黄は目に見えて軽くなる)。卵黄に泡立て器の跡が残るくらいまで泡立てる。

6. 泡立てた卵白と薄力粉を、少しずつ、泡立てた卵黄と混ぜる。スパチュラを使って、やさしく愛情を込めて混ぜる。

7. 生地を型に流し込み、表面を均す。180℃に予熱したオーブンに入れ、30分ほど焼く。

8. スポンジケーキをオーブンから取り出し、型ごと冷ましたら、そっと型から外す。23時間休ませ、ビスケットを完全に冷ます。時間があれば、さらに長時間冷ましておいてもよい(前日に焼いておいてもよい)。ビスケット生地が完全にさめたら、ラップをかけて、おいておく。

9. ビスケットを3層にカットする。

10. 冷凍のサクランボを解凍し、12分茹でたら、水を切る。水を切ったサクランボはケーキの層に使う。茹で汁はシロップとゼリーに加える。

11. 柘榴の「ダイアモンド」を模した寒天ゼリーを作る。寒天に冷水をかけ、火にかけ、寒天が完全に溶けるまで温める。サクランボの汁を注ぎ、砂糖を加え、沸騰したら、もう3分ほどそのままにする。

12. ゼリーは型に入れ、冷蔵庫に入れる。ここでは20x30センチの型に流し入れ、ラップで覆う。

13. ゼリーが固まったら、キュービックに切る。

14. シロップは、サクランボの汁と砂糖を混ぜ、火にかけて砂糖を溶かしてから、冷ます。

15. アイシング用のチョコレートを作る。チョコレートとバターを溶かし、なめらかになるまで混ぜる。

16. スポンジの上の層をよけておき、2枚目、3枚目のスポンジには用意したサクランボのシロップをたっぷり染み込ませ、少し残しておく。

17. 真ん中と下の層にチョコレートアイシングをし、固くなるまで待つ。

18. クリームを作る。サクランボの汁にゼラチンを入れ、少しふやかしてから、弱火にかけ、完全に溶かす。ゼラチンをヨーグルトと砂糖を入れて混ぜるが、その際、砂糖大さじ12は生クリーム用に残しておく。冷やした生クリーム(33%)に残りの砂糖を入れ、しっとりするまで泡立てる。ホイップクリームをヨーグルトに入れ、なめらかになるまでやさしく混ぜ合わせる。

19. クリーム 1/3 -1/4 は表面に塗るのでおいておく。この分は柔らかくなってもいいので、作業台の上におき、残りは冷蔵庫に入れておく。冷やすと、ゼラチンがクリームを濃厚にしてくれる。クリームが均等に冷えるよう、混ぜること。

20. 水を切ったサクランボの半量を底に敷く。

21. 冷やしたクリームの半量を上の層の表面に広げる。

22. 真ん中の層を置き、残りのサクランボと残りのクリームを広げる。

23. 表面に残りのサクランボシロップをたっぷりかける。ケーキは30分、冷蔵庫で冷やす。

24. ケーキの表面に置いておいたクリームを薄く塗り、さらに10〜15分冷蔵庫に入れる。残りのクリームを塗り、キューブ型の寒天ゼリーで飾る。

25. 23時間、冷蔵庫で休ませてクリームが固まったら、「柘榴石のブレスレット」は完成。

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