わたしがモスクワに住んでいた2000年代初頭、家の近くにあった小さな店で、ドブルィニンスキー・ケーキ工場で作られたデザートをよく買ったものだった。お気に入りはジャムが入って上にメレンゲが乗った小さなショートクラストのタルトレット「コルジーノチカ」だった。一体いくつ食べたか分からない。タルトレットは文字通り、わたしの口の中でとろけた。
ある日、この人気のタルトレットが売り切れていたことがあり、そのとき、店員がこのタルトレットによく似た味のお菓子を勧めてくれた。上に、雲のようなきれいな形のクリームとジャムが1滴乗っていて、サイド部分は砕いたクッキー生地で飾られていた。
それがドブルィニンスキー・ケーキだった。ケーキの名前は、ロシア最古のもっとも有名なベーカリーの名にちなんだものであった。この工場は、創立から100年以上経った今も、かつての伝統に忠実なケーキ作りを続けており、その幅広い種類のデザートは地元の店だけでなく、外国でも人気を博している。
なぜこのケーキがそれほど好きなのか?それは、3層のクラスト生地とふわふわのメレンゲから成る驚くべき作りである。皆さんもきっと読んでいるだけで食べたくなるに違いない。しかもここにもう1つ秘密の味が入っている。それがクランベリージャム。クランベリージャムは酸味があるので、贅沢感を与えるとともに、ケーキの味のバランスを完璧なものにしてくれる。ここでは、同じくらい酸味があり、より香りが豊かなクロスグリを使って作ってみよう。
生地(直径18センチ)
クリーム:
1. バターと粉糖をなめらかなになるまで混ぜ合わせ、卵を加えてさらに混ぜる。
2. 小麦粉とベーキングパウダー を加え、こねる。
3. 3等分する。
4. それぞれをラップで包み、上から軽く押して、20分ほど冷凍庫に入れる。
5. ベーキングペーパーの上で生地を丸くのばし、直径18センチ以上の大きさにする。
6. 生地を15分ほど焼く。
7. 生地がまだ熱いうちに型を使って直径18センチの円型に切り抜く。
8. 切り落とした部分はとっておき、生地を完全に冷ます。
9. メレンゲクリームを作る。水と砂糖を鍋に入れて沸騰させ、混ぜながら120℃まで煮詰める。
10. シロップを煮ている間に卵白をしっかり泡立て、熱したシロップに少しずつ注ぎ込み、その間、絶えず混ぜ続ける。レモン汁を加え、もっちりと粘り気が出るまで泡立てる。
11. 卵白クリーム200gにクロスグリジャムを加えて、ベリークリームを作る。小さじ1杯は装飾のためにとっておく。
12. 残りのメレンゲは絞り袋に入れる。
13. 1枚目の生地にベリークリームを広げ、2枚目の生地を置き、その上にもクリームを広げる。
14. 丸く切り取った際に残った生地を細かく砕く。
15. サイドにクリームを塗り、砕いた生地をまぶす。
16. ケーキの上部にメレンゲクリームをのせ、真ん中にジャム小さじ1を垂らす。
17. アイシングシュガーで飾る。
18. どうぞ召し上がれ!
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