プリョスはその土地柄、魚産業が発達している。とりわけ、魚の燻製、塩漬け、マリネは有名である。1990年代の初頭、大きな可能性に気付いたある起業家がこの川沿いでベーカリーを始めた。そこで焼かれているパンは、13世紀ごろの地元の料理技術を基にしている。
このベーカリーは、伝統的な製法でパイやパンを作りながら、現代人に過去の文化の素晴らしさを教え、地元の観光産業の一翼も担うようになった。最近では、鯉やスズキを使った「三角パイ」がこの町の食のブランドである。事実、この有名になった鯉やスズキの燻製を使ったこのオープン・パイを食べるためにこの町を訪れる人も多くなった。わたしの両親もそんな一人である。そして両親の体験談を聞いて、とても印象深かったので、わたしも自分で作ることにした。
このパイが「ルィブヌィ・ウーゴリ」、つまり「魚の角」と呼ばれるのは、その形からである。開いた角をもつ面白い形なので、中に入っているフィリングが見える。本物のプリョスの3角パイを作るには、もちろんハンの木で燻製にした鯉やスズキを使う。
しかし、鯖の燻製を使うという方法もある。魚のフィレを使う場合も、骨をすべて取り除くよう気を付けることが大切。燻製風味を損なわないためには、フィリングにあまりスパイスも使わない方が良い。黒胡椒だけを使うのはそのためだ。ジューシーさと甘味を加えるために、カラメル色になるまで炒めた白タマネギを入れる。生地はイースト生地で、バターと脂肪分の多いヨーグルトを加えることに味をより豊かにする。そのにおいがどんなものかは、自分で作るまでは、想像するしかない。甘い生地、魚の燻製、カラメル色になるまで炒めたタマネギ・・・、それは本当に最高としか言いようがない。
生地:
小麦粉 – 300 g
牛乳 – 100 ml
卵黄 – 1 個分
溶かしバター – 70 g
ギリシャヨーグルト – 50 g
生イースト – 10 g
砂糖 – 大さじ1
塩 – 小さじ1
フィリング:
鯖フィレ燻製– 400 g
白タマネギ – 4 個
バター – 30 g
オリーブオイル – 10 g
グレーズ:
卵白 – 1 個分
牛乳 – 小さじ1
パウダーシュガー – 小さじ1
1. 牛乳、砂糖、イーストを合わせ、イーストが溶けるまで混ぜる。
2. 小麦粉を少量、ふるい入れ、泡立て器で混ぜる。
3. 溶かしバターとヨーグルトと加え、生地をしっかり混ぜる。
4. 残りの小麦粉と塩をふるい入れる。
5. ミキサーに入れ、15分から20分ほど生地をこねる。
6. ラップで覆い、暖かい場所に置いて、2倍ほどに膨らむまで1時間ほど休ませる。
7. タマネギはみじん切りにし、バターと植物油で炒める。
8. 柔らかく、茶色く色づくまで20分ほど炒める。混ぜ続けること。
9. 魚の骨を取り除き、タマネギに加える。
10. 生地が2倍に膨れたら、手で押さえる。
11. 生地を35gずつ分け、小さく丸めていく。丸めたものはふきんをかぶせておく。
12. 生地を手、またはめん棒で少し平らにする。
13. 真ん中にスプーン1杯のフィリングを乗せる。
14. 角を持って合わせ、上の部分には触れずに3角形をつくる。
15. パイをトレイに乗せ(間隔を開けて)、ふきんで覆い、さらに休ませる。
16. 卵白、牛乳、パウダーシュガーを合わせてグレーズを作る。
17. グレーズをパイの上に塗る。
18. 180度のオーブンで35分焼く。
19. どうぞ、召し上がれ!焼きたてでも冷めてもおいしくいただけます。
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