ソース?それともスープ?お好みで作れるロシアの地方料理(レシピ)

Yulia Mulino
 簡単な材料で作ることができる「シップス」は、コース料理の前菜や一皿目の料理にもなり、メイン料理にしても美味しい。お好みの食べ方でどうぞ!

 ロシア南部のアディゲ共和国からやって来た食材には、アディゲ塩やアディゲチーズなど、ロシアでとても愛され、毎日のように使われているものがある。そしてアディゲの食べ物でもうひとつの有名なのが「シップス」である。これはパプリカの入った栄養たっぷりの濃厚スープだ。

 シップスは、アディゲでは元来パーティーやお祝いのテーブルで出される伝統料理だが、毎日の食卓にもあがる。作り方にはそれぞれの家庭に秘伝のレシピがあり、家庭の数だけその作り方があると言われている。このスープの最大の特徴は赤パプリカのオレンジ色と、穀粉を加えることによる濃厚さだ。使われる穀粉は、小麦粉やキビ粉、アワ粉であるが、米粉やトウモロコシ粉も使われる。シップスのベースになるのはブイヨンで、牛肉、鶏肉、七面鳥肉などをベースにするのが一般的だが、野菜でも良い 

 シップスのレシピにはいくつかの決まりごとがある。それは一般的に溶かしバターやギーを使うというものであるが、溶かしたバターに少しのオイルを加えても良い。また、適度な温度で調理しないと、濃厚な食感や素晴らしい味を得ることは出来ない。昔から伝わる作り方をしようとすると、それはまさに儀式みたいなもので、戸外の焚火の上に大釜をかけて作ることになる。

 シップスに独特の風味をもたらしているのがアディゲ塩で、これは、塩に地元のハーブやニンニクを加えたものである。家庭でも、塩、乾燥ニンニク、コリアンダー粉、ジル、パセリ、バジル、マジョラム、黒胡椒、パプリカ、唐辛子を混ぜて、同じようなものを作ることも出来る。

 シップスの素晴らしさはその多様性である。まずは、簡単ながら伝統的な前菜で、パンやチャバッタにつける濃厚なソースとして使える。これに少しブイヨンを加えて柔らかくして緑葉野菜をちりばめると、栄養たっぷりのスープになる。ブイヨンをとるのに使った肉に添えるか、もしくは、ポレンタやライスなどのサイドディッシュと食べると驚くほどおいしい栄養たっぷりのメインコースになる。このレシピをひとつ覚えればいろんな料理をおいしく食べることが出来るのである。

材料

  • 鶏 1羽
  • タマネギ 1個半
  • 小麦粉 大さじ3
  • 赤パプリカ 大さじ2
  • ローリエ
  • スパイス(ガーリックパウダー、コリアンダーパウダー、ディル、パセリ、マジョラム、ブラックペッパー、パプリカ、トウガラシ)
  • ニンニク 3片

作り方

1. 鶏まるごと1羽を水に入れ、タマネギ1/2個、ローリエ、ブラックペッパー、塩少々を入れ、茹で始める。

2. 15分経過したら、キッチンペーパーなどでアクを取り、ブイヨンを透明にする。

3. 1時間したら鶏肉をチェックする。火が通っていれば、火を消し、そのまま少し置く。

4. 深鍋にバターを溶かし、油を少し加える。溶かしバター、澄ましバターでもよい。

5, タマネギは小さく切る。

6. タマネギを黄金色になるまで炒める。

7. 赤パプリカを加え、混ぜる。

8. 小麦粉を加え、混ぜ続ける。

9. 3〜5分経過したら、ブイヨンを加える。小麦粉のダマができないよう、絶えずかき混ぜること。

10. スパイスと塩、またはアディゲ塩を加える。

11. ほどよい固さになるまでブロスを加え続ける。濃厚なソースにしたければ、水分を少なめに。混ぜながら10分ほど煮る。

12. 最後にニンニクとトウガラシを加える。

13. パン、肉料理と一緒に、あるいはサイドディッシュとともに盛り付ける。

14. どうぞ召し上がれ!

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