精進期の食事について色々考えているとき、作家イワン・シメリョフの「主の夏」が心に浮かんだ。この小説は、19世紀後期のロシアの美食を鋭く洞察している。料理について描いた箇所を読むだけで、よだれが出てくるのだが、中でもある料理が特に興味深かった。それは、乾燥させたプラムやアプリコットを入れたポテトコロッケだ。この料理に甘い食材を使うということはとても面白かった。食感もすこぶる良い。もちろん、本の中に作り方の説明はないのだが、どうやって作るのかをわたしは知っていた。
うま味を増すためには得意の技を使う。茹でる時に味をつけるのである。お湯に、ガーリック、タマネギ、ローリエの葉、黒胡椒、セロリの根を加える。一度試してみると、また使いたくなる技となること請け合いだ。
19世紀のロシアでポテトコロッケを作る際にパン粉を使っていたかどうかは分からないが、わたし個人的には、小麦粉だけでなくパン粉を付けることをオススメする。カリカリとした食感や家中に広がる素晴らしい香りをつけることが出来る。
この料理のヴィーガン的な最高の付け合わせは、自家製のキャベツ漬けであるが、新鮮な生野菜サラダもよく合う。この料理をベジタリアン向けにしたいなら、ヨーグルトをつけるとさっぱり食べることができる。またカラメルオニオンのような温かいドレッシングをかければ、中のフルーツの甘さを引き立たせてくれる。
材料:
- ジャガイモ 550g
- 小麦粉 大さじ3
- ドライプラム 30個
- ドライアプリコット 30個
- オリーブオイル 大さじ2
- パン粉 大さじ3ほど
- ガーリックパウダー 小さじ1/2(お好みで)
- 塩
材料(ブロス用):
- タマネギ 1/2 個
- セロリの根 3本
- ニンニク
- ローリエ
- ブラックペッパー
- 塩
- 調理用油
カラメルオニオン:
- スイートオニオン(大)
- バター 20g
作り方:
1. ジャガイモは皮を剥いて、セロリの根、タマネギ1/2個、ニンニク、ローリエ、塩、ブラックペッパーと一緒に茹でる。若いジャガイモは粘りが少なくなるので使わないこと。
2. その間に、ドライフルーツをお湯に浸しておく。
3. ジャガイモを小さく切り、冷ます。500gのジャガイモを用意する。
4. ジャガイモをつぶし、小麦粉を加え、必要に応じて塩コショウする。お好みでガーリックパウダーを入れる。
5. オリーブオイルを加えて全体を混ぜる。
6. タネを8等分する。
7. 平たくし、中にドライフルーツを入れる。
8. タネを閉じ、パン粉をまぶし、コップなどを使って丸くする。
9. 油を引いたフライパンで両面がこんがりきつね色になるまで焼く。そっと裏返す。ペーパータオルに乗せて余分な油を取る。
10. カラメルオニオンを作る。フライパンにバターを溶かし、スライスしたオニオンを混ぜながら25分ほど焼く。
11. グリーンサラダ、ヨーグルト、スイートオニオンなどを添えて盛り付ける。
12. 召し上がってください!