牛タンのザリヴノイェ(ザリヴノイ・イズィク)は、ロシア風フランス料理のゼリー寄せで、ロシアに居住していたフランス人シェフたちによって考案された。彼らは、多くのロシア料理を独自に進化させた。
19世紀初めまでは、このような煮凝り料理というものはなかった。代わりに、ロシアには肉や魚を使った別の種類のゼリー料理があったのだが、見かけがお祝い料理にまったく向いていなかった。そして、ロシアで働いていたフランス人シェフたちが、このゼリー料理を完ぺきに変化させ、新しい煮凝り料理を作った。
たとえば、彼らが使った魚や肉は最高のものの最高の部位で、それらを独自の方法で美しくカットした。そして、とてもクリアでほとんど透明なブロスを使ってこの料理を崇高なものにした。また、煮凝り料理はお祝い料理に相応しく楕円や長方形のお皿に盛られるようになった。
ちなみに、この料理は、魚、肉、野菜で作られるという点を指摘しておく必要がある。肉は牛タンや、子牛、豚、ハム、家禽(鶏、七面鳥、鴨、エゾライチョウ、ヤマウズラなど)が使われる。これらを細かく刻んで、ニンジン、卵、レモン、缶詰のグリーンピース、新鮮なキュウリ、リンゴ、緑葉野菜などを刻んだものと合わせる。魚、肉または野菜で作られたブロスでゼリーを作る。ブロスに加えるゼラチンの量は、ブロスの濃さや使われた魚や肉の種類で異なる。
1. 牛タンはきれいに洗って大きめの鍋に入れ、冷水を注ぐ。鍋を火にかけ、沸騰させる。沸騰したら火を消して、水を切り、きれいな水を鍋いっぱいに注ぎ、再び火をつける。
2. ニンジンとタマネギは皮をむき、鍋の水が再び沸騰したら、野菜と黒コショウ豆を加える。火を弱め、1時間半ほど煮る(30分後に野菜は取り出す)。
3. 深皿に沸騰させて冷ました水と25gのゼラチンを入れ、混ぜる。少し置いておく。
4. 1時間半が経過したら、鍋に塩とローリエ2枚を入れる。牛タンはさらに30分煮る。
5. 別の鍋にチキンブロス(または別のブロス)を作る。塩コショウで味を整える。お好みでスパイスやハーブを加え、ローリエを1枚入れる。これがゼリーになる。ビーフのブロスを使ってもよいが、チキン(または別のブロス)の方がヘルシーである。ブロスができ上がったら、ガーゼで濾し、室温まで冷まし、湿らせたゼラチンを加える。ゼラチンが完全に溶けるまで混ぜる。
6. 時間がきたら牛タンを取り出し、冷水をかけ、すぐに皮を剥く。みかんの皮のように完全に剥くことができる。
7. 牛タンをスライスする。飾り用のニンジンや卵を輪切りにし、缶詰の豆、パセリ、クランベリーを用意する。
8. 牛タンのスライスを深皿に入れ、ニンジン、卵、豆で美しく飾りつける。
9. スプーンを使って、少しずつゼラチンの入ったブロスを注いだら、数時間以上、あるいは一晩、冷蔵庫に入れる。
10. 出来上がった煮凝りは、スライスして、お祝いのテーブルへ。
プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)
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