カツレツはロシアの伝統料理の中でももっとも人気の一品である。その証拠に、ロシアには非常に多彩なカツレツのレシピがある。中でももっとも人気があるのが、「ポジャルスキー」である。鶏のひき肉をベースにしたカツレツである。このカツレツは19世紀前半、ニコライ1世がモスクワからサンクトペテルブルクに向かう道中のポジャルスキー家の食堂でこれを食べた後、知られるようになった。
ポジャルスキー・カツレツが特別なカツレツである理由がいくつかある。まず、パン粉ではなく、白パンのクルトンを使うこと。こうすることにより、外のカリカリ感をアップし、中の柔らかい食感をより強調することができるのである。
もう一つのポイントは、タマネギやニンニクを使わない点である。タマネギは普通、カツレツを作る際、肉の次に重要な材料とされている。タマネギはカツレツをジューシーにしてくれるからだ。しかし、ポジャルスキー・カツレツはひき肉で作るカツレツの中でももっともジューシーな一品である。その鍵はバターを加えること、そして牛乳に浸したパンをひき肉に混ぜることである。ちなみに、タマネギが入っていないことから、このポジャルスキーは子どもにも人気の料理となっている。
伝統的なカツレツはさっと作れる料理と考えられているが、ポジャルスキー・カツレツはそうではない。肉を挽き、バターやその他の材料を手またはフードプロセッサーで正しく混ぜ込むことで、カツレツをふんわり柔らかくすることができる。調理は2段階に分かれており、まずフライパンで焼いてから、オーブンに入れる。時間がかけた分だけおいしく仕上がるのである。
1. カツレツのタネから作る。白パン半量は小さく切り、牛乳に浸し、少し置いておく。
2. 鶏肉は肉挽き器にかけ、牛乳を浸したパンを加えてさらに挽く。
3. 肉に柔らかくしたバター、塩少々(気持ち多め)、コショウ、砂糖を加える。両手で5分以上こねたら、ラップにくるんで、冷蔵庫に入れ、30分ほど寝かせる。
4. その間に衣を作る。残りのパンを小さな角切りにし、天板の上に乗せ、150℃のオーブンで10分ほど焼いて、乾燥したクルトンにする。出来上がったら、完全に冷ます。
5. カツレツを成形する。両手を冷水でぬらし、ひと握りのタネを手に取り、やさしくクルトンをまとわせ、小判形にまとめたら、端を少し尖らせる。ひき肉がなくなるまで繰り返す。
6. フライパンに植物油とバターをひき、両面を3〜4分ずつ焼いて、表面に焦げ目をつける。クルトンは焦げやすいので中火にする。
7. カツレツを天板に乗せ、180℃のオーブンで15分から20分焼く。出来上がったらすぐにお好きなサイドディッシュとともにサーブする。
プリヤートナヴァ・アペチータ!(召し上がれ!)
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