晩秋になると、葉の落ちた雑木林にローズヒップが顔を出し、くっきりと赤いベリーをつけて目を楽しませてくれる。街中でこのベリーを見つけるのは大変だが、田舎に行けばとても簡単だ。
未だに覚えているのが、子供のころ病気になると、薬局で買った小さい瓶に入ったどろっとした濃い色のシロップをスプーン一杯飲むように母親に言われたこと。そのシロップはいい香りがして蜂蜜のように甘かった。今では、美味しくて健康に良いローズヒップ・ジャムを瓶にいくつか詰めて冬に向けて保存しておき、風邪をひきそうなときや免疫力を高めたいと思ったときに開けて食べるとよい。
ローズヒップは、ビタミンA、EとCを豊富に含み、特に風邪や流感予防に効き目があり、病気と戦ってくれる。ローズヒップ・ジャムはそれゆえもっとも健康に良いもののひとつと考えられ、正しく作れば、他のベリーで作ったジャムと比べてもとても繊細で上品な味がする。
1. 理想的なジャムを作るには、果物は同じ程度に熟していなくてはならない。熟したベリーは柔らかく、甘く、そして明るい色をしている。
2. 使用する調理器具もとても大事だ。銅やアルミの調理鍋を選んではいけない。理想的なのはほうろうの鍋だが、ステンレス製のものでも良い。ジャムが焦げ付くのを防ぐには、なべの底は平たくて厚いものを使い、具材は三分の一くらいまでしか入れずに均等に火が通るようにする。
3. 下ごしらえが必要な果物があることだ。リンゴやナシのような大きめの果物は予めお湯に入れて茹でておく必要がある。アプリコットやプラムを茹ですぎないようにするには、ソーダ水に5分間浸すとよい。ベリーや固い皮の果物(プラム、スグリ、ナシなど)を破裂によって形を崩さないためには、調理の前につまようじでいくつかの穴をあけておく。
4. そして最後にもっとも重要なことは、ジャムの出来具合を見極めることだ。ジャムを小さじで少量すくって、親指の爪にたらす。その滴が丸い形のまま崩れなければ、ジャムは完成だ。
チェーホフはかつて、「知識は実行に移さなければ価値がない」と言った。では、ローズヒップ・ジャム作りを実行に移すことにしよう。
1. ローズヒップの種を取り除く。わたしの場合は、家のそばの森でローズヒップを摘むので取り除かない。普通、使うのは野生の小さなもので、種を残したまま使うのだが、野生のローズヒップを使わない場合は、次のようにする。ローズヒップを洗い、乾燥させ、端を切り落とし、中を開いて、種を取り除く。
2. お湯に砂糖を入れて溶かし、絶えず混ぜながら沸騰させたら、シロップを大きな鍋に入れ、下処理したローズヒップを入れる。翌日までそのままにしておく。
3. 次の日、ローズヒップの入った水を再び火にかけ、沸騰したら火を弱め、ローズヒップが完全に柔らかくなるまで5分煮る。
4. 容器を滅菌する。清潔な容器に熱湯を注ぎ、蓋をして8分から10分おいておくと良い。あるいは電子レンジでもできる。清潔な容器に水を下から4センチほど入れ、2分ほど加熱すればよい。
5. 滅菌した容器にジャムを注ぎ、少し上の部分を残しておく。ふちを拭きとり、滅菌済みの新しい蓋をし、あまり締め付けないように閉める。ゆっくりと冷めるよう、容器をタオル数枚で覆う。最低12時間で、ローズヒップジャムの完成。保管しても良いし、すぐに食べても良い。
プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)
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