スィルニキとはロシアのカッテージチーズを使ったパンケーキで、もっとも愛されている国民的な朝食のひとつである。5種の材料を用意して、わずか20分あれば、甘いチーズの食感が絶品の最高の朝食が出来る。作るのはとても簡単に思えるが、このレシピにはいくつかのポイントと手順があるので注意が必要。これを守らなければ、形がくずれ、チーズ特有のなめらかさを失って菓子パンのような味になる。
わたしは、長い年月をかけてスィルニキ作りの腕を上げ、この理想的な方法を編み出した。このシンプルな作り方を参考にして、これ以上のものは考えられない正真正銘の素晴らしいスィルニキをぜひ作ってみてほしい。
トヴォーログ(カッテージチーズ/ カードの一種)は、理想的なスィルニキを作る大きなポイントである。まず、よく乾燥していて、水分が少ないものでなければならない。でなければ、調理している間にスィルニキの形がくずれてしまうからだ。また、トヴォーログはクリーミーでなめらかなものを使うことが大切だ。トヴォーログに塊がある場合は、漉すかブレンダーを使う。もうひとつのヒントは、生地を作る時は冷蔵庫で冷やしたトヴォーログを使うこと。これもスィルニキの形をよくするのにとても重要な点である。
スィルニキはその素晴らしい食感で知られており、調理する上で大事なポイントは小麦粉をあまり使わないことである。トヴォーロ200グラムに対し、大さじ山盛り1杯の小麦粉を加えると、スィルニキの究極のなめらかさを味わうことが出来る。
卵白は生地を水っぽくしてしまうので、卵黄だけを使うのが理想的な形のスィルニキをつくるうえで重要なポイントのひとつだ。さらに、倍量のスィルニキを作るには、材料を2倍使うが、卵黄だけは別で、ひとつあれば十分である。
正しく調理することが非常に重要である。直火で焼いてしまうと、表面がすぐに焦げて中は生のままになる。だからフライパンの熱を使って“ベイクする”必要がある。その方法はと言うと、ただフライパンに蓋をして、低-中温で両面をそれぞれ7分ほど焼けばよいだけ。これでスィルニキはうまく焼け両面ともうっすらと黄金色になる。
あるいは、生地をまったく甘くしないこと。と言うのも、砂糖を加えると生地に水分が増し、スィルニキの形がくずれる要因のひとつになるからだ。と言うわけで、砂糖を加えるなら、大さじ一杯だけで、入れるのはスィルニキを形づける直前の最後の段階にする。甘味が欲しければ、焼きあがったものにサワークリーム、ジャム、コンデンスミルク、粉砂糖などをトッピングすれば良いのである。
1. ボウルにトヴォーログ、卵黄、塩を入れ、フォークで混ぜる。
2. 小麦粉を加え、再び混ぜ、なめらかで濃厚な状態にする。生地は冷蔵庫で5分ほど休ませる。最後に形成の直前に砂糖を加える。
3. 作業台に小麦粉をたっぷりふり、生地を5等分する。一つずつ丸め、少し平たくして、端の高さを揃える。
4. すべての生地を形成したら、フライパンに香りのない植物油を少量ひき、スィルニキを並べ、弱めの中火にかける。蓋をして、片面を7分ほど、あるいは底の面が軽く黄金色になるまで焼く。
5. 火を弱め、ひっくり返して、蓋をして、さらに5分焼く。
6. 焼きあがったら、室温で少し粗熱を取り、お好きなトッピングを添えていただく。サワークリームと濾したイチゴをかけると絶品。
プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)
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