リンゴがスラヴ文化においてもっとも重要なフルーツであるというのは誇張ではない。婚約、結婚式を始め、ほぼすべての重要な祝日、儀式の席で、食卓にのぼるリンゴは健康、愛、豊作のシンボルとして、非常に重要な意味を持っている。
文字通り、リンゴの調理法は古代ルーシ時代から何十通りもある。その方法は、乾燥させる、塩漬けにする、発酵させるなどさまざまだ。ロシアではリンゴの収穫量が多く、すべてを食べ切ってしまうことができなかったからである。そこでクリエイティヴなレシピを考案する必要に迫られた。焼きリンゴは、ロシア料理において、果実を保存する人気の方法の一つである。最初は、鴨のローストにリンゴを詰めるなど、肉料理の付け合わせとして使われていたが、後に、独特の風味のある個別の料理としても作られるようになり、また健康的で、アレルギーを引き起こしにくく、栄養のあるものと認められるようになった。
焼きリンゴのもっとも簡単な作り方は、リンゴを半分か4分の1に切って、オーブンか電子レンジで10分から15分焼くというもの。ちょっとしたフィリングを加えれば、簡単なおやつや朝食、ヘルシーでカロリー低めのデザートにもなる。
リンゴの詰め物にはさまざまなものが合う。一番クラシカルなのは、トヴォーログ(ロシアのカッテージチーズあるいはカード、凝乳)にハチミツ、ナッツ、レーズンを混ぜたもの。カウベリーなどのベリー類やオートミール、ドライフルーツを加えてもおいしい。
このレシピが素晴らしいのは、季節を問わないことである。すべての食材は1年を通していつでも手に入る。しかしやはり新鮮な秋のリンゴは、もっとも深みがあり、自然の風味、自然の食感が感じられる。
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