クワスはスラヴの人々にもっとも好まれるソフトドリンクのひとつである。クワスとは「酸っぱい」もしくは「発酵した」と言った意味で、実際にこれは、発酵プロセスを経て作られる天然発泡ドリンクである。主にライ麦パンをもとにしており、健康にとても良い豊富な遊離アミノ酸や微量元素を含んでいる。
フサスグリのクワスを作るときには伝統的なパンやイーストの味を使わないようにしているのだが、その代わりに干しぶどうを使う。干しぶどうは発酵プロセスをすすめるだけでなく、フサスグリの味によく合う。干しぶどうは天然に乾燥され、防腐油が使われていないものがよい。もう1つ大事な点は、洗ってはいけないということ。干しぶどうには善玉菌がついておりこれが発酵プロセスを助けてくれる。
なぜフサスグリ、主に黒フサスグリがこの飲み物にとって特別なものなのか?フサスグリはビタミンとミネラルが多く含まれていることが知られている。そんなわけでロシアでは、フサスグリはデザートに使われるだけでなく、薬品としても利用されているのである。
材料
- 水 2リットル
- フサスグリ 200g
- 砂糖 200g
- スターアニス 4個
- レーズン 80g
作り方
1. ベリーはしっかり洗い、鍋に入れて潰して、果汁を絞る。ミキサーを使わないこと。あとで濾しにくくなる。
2. ベリーに砂糖と水を加えて沸騰させ、火から下ろす。これでいわゆるモルスができる。
3. 味に深みを与えるためスターアニスを加える。鍋の蓋をして、4~5時間置いて、30℃くらいまで冷やす。
4. モルスを濾す。
5. 滅菌された瓶か容器にレーズンを洗わずに入れ、モルスを注いだら、密閉する。
6. 24時間、室温に置いておく。これで発酵がスタートするので、そのあとは冷蔵庫に移す。
7. レーズンは瓶の中で浮かんだり沈んだりするが、これはすべてが順調な証拠で、砂糖は発酵で消費される。
8. 5日後にクワスが出来上がる。クワスには低いがアルコール分が含まれることを忘れないこと。