古代ルーシの清涼飲料水7選

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 ロシアの農民の生活はとても大変だった。暑い夏に畑でずっと作業をするのはつらいことだし、レモネードやスムージーを提供する喫茶店もなかった。この問題を身近なもので解決しようと、自然の恵みから清涼飲料水をつくっていた。

1.     クワス

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 クワスは微炭酸発酵飲料。スラヴ人は一年中、作業の際、また斎期でも、ライ麦や大麦からつくられたクワスを飲んでいた。クワスは農民から皇帝までの、あらゆる人の食卓にあった飲み物である。

 夕食には青ネギと黒パンにクワス、デザートには果物のクワスやベリーのクワスが使われた。酸っぱいシチーという特別な種類のクワスもあった。シチーとは一般的にキャベツのスープであるが、これはスープではなく、ライ麦の麦芽からつくられた酸味の強いクワスである。

 クワスを自分でつくるのはそんなに難しいことではない。乾燥した黒パンに熱湯を注ぎ、4時間置いて、砂糖、酵母、ミントを入れて、発酵を待つ。

 

2.     モルス

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 モルスとは果汁を水で割った清涼飲料水。ベリーのモルスは古代ルーシの本「家庭訓」が書かれた時代にすでにあった。種類はクランベリー(コケモモ)、ブルーベリー(セイヨウスノキ)、ラズベリー(エゾイチゴ)、カラント(スグリ)、チェリー(サクランボ)のモルス。

つくり方は、新鮮なベリーを裏ごしして汁を取り、残った果皮と砂糖を別で煮て、冷めたらそこに汁を注ぐ。涼しい場所に置くと、約1週間保存可能。

 

3.     ブルスニチナヤ・ヴォダー

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 ロシアの詩人アレクサンドル・プーシキンは、「エヴゲーニイ・オネーギン」で主人公の飲料にブルスニチナヤ・ヴォダー(コケモモ水)を加えた。コケモモ水は、モルスよりも簡単につくることができる。

 (集めて葉や小枝を除去した)コケモモに、水を注いで、冷暗所に7~10日間置く。その後、裏ごし(ろ過)して、砂糖または蜂蜜を加えて甘くし、容器に入れる。コケモモ水が残ったら、煮てモルスにすることもできる。

 

4.     キセリ

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 キセリはでんぷんの入ったトロトロの飲み物(食べ物)。伝統的なのはオーツ麦のキセリ。夏場に冷たくしたキセリをメイン料理として食していた。オーツ麦のキセリは、オーツ麦粉に沸騰したお湯を注ぎ、ペチカで焼く。現代ロシア人になじみ深いのは、フルーツのもの。19世紀初めに登場したフルーツのキセリは、貴族の家庭のとてもおしゃれな飲み物だった。ソ連時代には、お湯で溶いて鍋で加熱するだけでできあがる、乾燥(インスタント)キセリが登場した。子どもたちは火を使わずに、乾燥キセリをそのままかじって、フルーツの味を楽しんでいた。

 自分でつくる場合は、ベリーなどの好きなフルーツを煮る際に、片栗粉またはコーンスターチ大さじ1杯と砂糖を加える。これだけでできあがる。

 

5.     コンポート

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 コンポートはベリーなどのフルーツ煮汁。モルスとは異なり、日常的な飲み物ではなく、祝日の飲み物であった。そして、材料は乾燥リンゴ、乾燥ナシ、乾燥プラムであった。密閉容器に入れると何か月も保管できるため、備蓄になった。 

 コンポートのつくり方は、乾燥フルーツに水と砂糖を加え、火にかけて沸騰させ、20分間煮る。その後冷ます。

 

6.     スィチ

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 スィチまたはスィタは蜂蜜入りの甘露水で、古代ルーシで紅茶が登場するよりも前に飲まれていた。冷ますと味が変わるため、冷たくして飲むことが多かった。

 蜂蜜を沸騰させて、裏ごし(ろ過)し、冷まして、クローブやシナモンなどのスパイスを加える。

 

7.     プロストクヴァシャ

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 プロストクヴァシャはロシアの酸乳。ルーシにはさまざまな乳品があった。痛んだ牛乳までも使われた。オラジヤ(パンケーキ)に入れたり、カッテージチーズをつくったり、チーズをつくったり、プロストクヴァシャにしたりと。

 プロストクヴァシャのつくり方は簡単。天然の牛乳を温かい場所に一晩置くだけで、朝できあがっている。現代の条件のもとでは、普通の牛乳に好きな発酵乳製品を小さじ1杯入れて、温かい場所に一晩置く。現代式は真正のプロストクヴァシャではないため、こだわりのある人は気に入らないかもしれない。

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