ブリヤート料理は煮込んだスープと脂の乗った肉、自家製チーズを基本としている。代表的な料理はボーズ。挽き肉または細かく刻んだ肉が入ったブリヤートのペリメニである。概して、具には牛肉か羊肉、または稀ではあるが牛肉と豚肉の合挽き肉が使われる。
スープの中では、脂肉のブイヨンに牛肉か羊肉、それに小麦粉を加えたバンタンに注目したい。レストランなどでは、小麦粉の代わりにボーズを入れて出すことが多い。
モスクワにはブリヤート料理店がいくつかあり、ブリヤート人も喜んで足を運んでいる。中でも有名なのは地下鉄トゥルゲーネフスカヤ駅のすぐそばにある「オルダ」である。
メニューには、伝統的なボーズ(410ルーブル=およそ700円)、たたききゅうり(350ルーブル=およそ600円)、ボーヴィ(クッキー)のコンデンスミルク添え(250ルーブル=およそ440円)などがある。
平均予算: 1500ルーブル(およそ2,600円)
住所:Myasnitskaya, 43/2
もっと手頃なところに行きたいという方は、マロセイカ通りにあるフードマーケットの2階がオススメ。現地から食材を取り寄せているYURTというブリヤート料理コーナーがある。メニューには羊肉のボーズ(390ルーブル=およそ660円)、羊肉ブイヨンのスープ「ブフレル」(450ルーブル=およそ770円)、牛肉の「フシュールィ」(チェブレキのようなもの、150ルーブル=およそ260円)などがある。
平均予算: 1,000ルーブル(およそ1,760円)
住所: Maroseika, 4/2
ダゲスタンのヒンカルとジョージアのヒンカリはまったく異なる料理だということをご存知だろうか。ダゲスタンのヒンカルは、肉と生地がバラバラの状態で出され、それにソースとスープが添えられている。ヒンカリと異なり、ヒンカルは小麦だけでなく、トウモロコシの粉からも作られる。ダゲスタンに住むさまざまな民族が、独自のヒンカルを作っている。アヴァール人は生地をひし形にし、ラク人は貝の形にし、ダルギン人はクルミを入れて、細長く作る。
ヒンカル以外にも、ダゲスタン料理には有名なものがある。イーストを加えない生地にハーブとチーズ、カッテージチーズまたは牛肉を入れて作られた薄いピローグ。もうひとつは、クルゼと呼ばれる薄い生地のペリメニ。ジャガイモか肉が入っていて、留め口にきれいな模様がつけられている。
おいしいヒンカル(290ルーブル=およそ500円)や「チューダ」(150ルーブル=およそ260円)は「ツヴェトノイ」、「ダニーロフスキー市場」などのフードマーケット、バウーマンスカヤにある「ガストロフェルマ」、BDNKh(全ロシア博覧センター)の中央通りなどで食べることができる。一体どういうものかは、ご自身で行って確かめてほしい。
平均予算: 800ルーブル(およそ1,370円)
住所: ul. Muitnaya d. 74, zdanie “Danilovskiy ruinok”
タタールの民族料理は肉好き(牛肉、羊肉、馬肉)とパン好きにはたまらない。ここにはなんでもある。小さめながらもお腹いっぱいになる「エチポチマク」と呼ばれる三角形のピロシキ、肉とジャガイモが入った「ペレミャチ」と呼ばれる丸いピロシキ、野菜入りの「マンティ」(肉まん)、お祝いの席に出される肉のピローグ「ズル・ベリシ」、薄い揚げパン「クィスティバイ」、そしてデザートには有名な「チャクチャク」と丸いドーナツ「バウルサキ」などがある。
モスクワでは、ヨーロッパ料理のレストランでも、タタール風「アズー」(ジャガイモのピュレーを添えた牛肉料理)、「マンティ」(肉まん)、そしてハチミツのパイ生地菓子「パフラヴァ」などのタタール料理を目にすることができる。「チャクチャク」はどんな食料品店にも置かれている。
しかし本物のタタールレストランに行きたければ、モスクワ東部のソコリナヤ・ゴラー(地下鉄駅「セミョーノフスカヤ」近く)にあるレストラン「ミラージ」に行くとよい。ここはモスクワで一軒しかないタタール風のハラールレストランである。民族音楽のコンサートやお祝いのイベントがしょっちゅう開かれている。
メニューには、レーズンと羊肉のタタール風「プロフ」(440ルーブル=およそ760円)、鶏肉の「サジ」(半キロの鶏肉と野菜を使った料理、750ルーブル=およそ1,300円)などがある。
平均予算: 1,500ルーブル(およそ2,600円)
住所: Pr-t Budennogo, 33
これとは別に、カフカス料理、地中海料理、ソ連料理が確立に影響を与えたクリミア・タタール料理というものがある。クリミア・タタール料理の中で、モスクワだけでなく、ロシア全土でもっとも有名な一品は何かご存知だろうか?実はあの「チェブレク」、挽き肉や刻んだ野菜などを入れて揚げた薄いピローグである。
モスクワではあらゆるフードマーケットで新しくチェブレク店がオープンしているが、もっともおいしいのは地下鉄「スーハレフスカヤ」の近くにあるカフェ「ドルージバ」。ソ連時代からある店で、メニューには「チェブレク」しかない(70ルーブル=およそ120円)。
平均予算: 150ルーブル(およそ250円)
住所: Pankrat’evskiy per., 2
カバルダ料理には、羊肉のシャシリクやアイラン(酸味のある乳製飲料)など、カフカス料理に特徴的なメニューがある。最も代表的な料理は、信じられないほどおいしい油で揚げたパン、「フィチン」。生地には、小麦粉と水と塩しか使われていない。もっともおいしい具はハーブの入った自家製のブラインチーズ。肉が入っている場合も多い。
太ってもいいという方は、今すぐアルバート通りへ。フードマーケット21に、「Khochu Khychin」という素晴らしいコーナーがあり、心を込めて作られたフィチンが食べられる。お値段は150~200ルーブル(およそ330円)。グルメのあなたには、4種のチーズが入った黒い「フィチン」がオススメ。
平均予算: 600ルーブル(およそ1,000円)
住所: Noviy Arbat, 21
ロシア北方の料理は、自然の恵みで作られたシンプルなものが多い。狩猟肉、魚、そして季節の森のベリーなどである。北方の先住民たちの料理には、「サグダイ」と呼ばれるタルタルのような一品がある。肉を酢と塩とタマネギでマリネにしたものである。冷凍させた白身魚ムクスンまたはサーモンで作られることが多い。ストロガニナ(冷凍した魚のスライス)、鹿肉や熊肉を使った料理も人気が高い。
フードマーケットStrEATの中にあるカフェ「Sever」(「北」)では、現代風にアレンジされた北方料理を食べることができる。サーモンと蒸し野菜のバーガー(490ルーブル=およそ850円)、ムクスンのフィレ、ラタトゥイユ添え(550ルーブル=およそ950円)、鹿肉のタルタル(450ルーブル=770円)など。
平均予算: 1,000ルーブル(およそ1,770円)
住所: Leninskaya Sloboda, d.26, str. 1
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