ソ連料理には10以上の有名なソースがある。そのうちのいくつかは家庭で作るのは難しいため、店や食堂でしか手に入らない。ここでは自分で簡単に作れるソースをいくつかご紹介しよう。
カツレツにかかっているオレンジがかった赤いソースはソ連時代を生きた人々の多くに食堂を思い出させるものである。普通のトマトソースと違い、熟したトマトの皮をむき、砂糖、玉ねぎ、ニンニク、酢、スパイスと煮込んで作る。ソースはメイン料理のソースとして使われるほか、スープやボルシチ、前菜にも使われる。
作り方:まずトマト(2kg)はしばらく加熱し、冷やしたら、皮をむいて、芯をくり抜く。鍋にトマトの半分、砂糖(全量150g)の半分、水少々を加えて水がなくなるまで煮たら、同じ作業をもう一度行う。出来上がる15分前に、細かく刻んだスパイス(クローブ20個、シナモン5g、マスタードパウダー1.5g、オールスパイス15粒、黒コショウ15粒)、それに肉ひき機にかけたタマネギ(100g)、ニンニク(3片)を加える。
出来上がる直前に塩(35g)、酢(6%のもの130g)を加える。出来上がったソースは熱いまま瓶に注ぐ。
ソ連時代、マスタードはもっとも一般的な調味料のひとつであった。1952年に出版された「おいしくて健康的な食べ物についての本」には、ソ連では豊富な種類のマスタードが大量に生産されていたため、家庭で作る必要はなかったと書かれている。それでも食卓用マスタード(ディジョン・マスタードではなく)は以前も現在もマリネード用、そして魚料理にも肉料理にも使われている。
作り方:マスタードパウダーを熱湯(マスタード100gに対して熱湯1/2カップ)に入れ、火にかける。しっかりと混ぜ、さらに熱湯2–3カップを加え、そのままで翌日まで置いておく。翌日、水を切ったマスタードに砂糖と塩(大さじ1)を加え、そこに植物油(大さじ2)、3%酢(大さじ2)、スパイス(クローブ、カルダモン、ナツメグあるいはショウガをお好みで)を煎じたものを何度かに分けて加える。調味料とスパイス、マスタードが均等になめらかになるようしっかりと混ぜあわせる。出来上がったマスタードは2–3日置いてから使う。
ジャガイモなどのお焼き、ミートボールやカツレツ、キノコ料理、魚料理にもっとも合うソース。どんな料理にも合うソースで、さらにチーズや西洋ワサビ、ニンニクを加えることでアレンジすることもできる。
作り方:小麦粉(大さじ1)は同量のバターと一緒に軽く炒め、ダマができないようミニホイッパーでかき混ぜ、野菜の煮汁または水(1/2カップ)とシラエワ(1カップ)を加える。5分煮たら、お好みで塩を加え、濾す。
茹でたジャガイモ、ジャガイモのお焼き、カツレツに合うソースと言ったらこれと比較しうるものはない。乾燥キノコでも新鮮なキノコでも同じようにおいしく作ることができる。
作り方:乾燥キノコ(50g)はお湯で洗い、冷水3カップに3時間浸し、そのまま煮る(新鮮なキノコの場合はすぐに煮てよい)。小麦粉大さじ1は同量のバターと一緒に炒め、明るい茶色になったら、濾したキノコの熱いブイヨン2カップを加え、弱火で15分から20分煮る。みじん切りのタマネギ(1個)は炒め、小さく切って茹でたキノコを加えてさらに炒め、ソースに加える。お好みで塩を加え、十分に加熱する。
トケマリという謎の言葉は、ジョージアの主要なソースを意味するだけでなく、ソースの材料である酸味のあるスモモを意味する。トケマリがない場合は、紅葉スモモでもよい。甘いスモモはこのソースには向かないので注意する。出来上がったソースはシャシリク(串焼き肉)、鶏肉の丸焼き、その他の肉料理によく合う。
作り方:酸味のあるスモモ(1kg)はよく洗い、全体がかぶるくらいに水を入れ、沸騰させ、その後中火で10分から15分加熱する。煮汁は濾し、スモモはタネを取り除いて漉し器にかけ、煮汁を合わせて、濃厚なサワークリームくらいの濃さにする。ニンニク(1片)を潰して加え、砂糖(スモモの酸味により最大で30g)、塩(30g)、刻んだトウガラシ、挽いたコリアンダー(10g)、細かく刻んだ香草(コリアンダー、イノンド、ジョージアのミントをそれぞれ50g)を加え、沸騰させ、さらに15分煮たら、冷ます。冬に作る場合は、25分煮る。
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