マースレニツァはどう祝うべきか:順を追って指示しよう(写真特集)

ウラジーミル・スミルノフ撮影/TASS, Pixabay
 花嫁は何曜日に探せばいいか、姑(妻の母)とはどう知り合えばいいか、暖かい夏になるよう何をすればいいか。

 マースレニツァとは――もっとも陽気なロシアの民衆の祝日だ。丸一週間、ロシアではブリヌイ(ロシア風クレープ)を焼き、親戚の家に客に行き、冬を見送る。異教の時代にもマースレニツァは春分の日(3月22日)に祝われていたが、キリスト教受容後は独自の大斎戒を準備するようになった。マースレニツァの7日間のうちに何をすべきかをここにご紹介しよう。

ブリヌイ週間に向けて準備しよう

 マースレニツァ週間がくる前に、家の中の家具調度品をできるだけ新しくしたり修理したりし、古びたものや壊れたものは捨て、整理整頓をしなきゃいけない。それと、丸一週間分のブリヌイの材料と親類たちへの贈り物のことも考えなきゃ。

月曜日――ブリヌイを焼きはじめよう

 ロシア料理では、ブリヌイは太陽のシンボルだ。ブリヌイをたくさん焼けば焼くほど、その一年は暖かく、豊作になると考えられている。

 古代ルーシでもすでにマースレニツァ週間には肉は食べていなかったが、その代わりに、乳製品と魚が重んじられていた。そのため、いちばん人気のあるブリヌイの具は、カッテージチーズ、スメタナ(サワークリーム)、ジャム、イクラやキャビア、バターだった。この伝統に則って今に至るまで各家庭には代々伝わるレシピがある。一枚目のブリンは、故人の記憶に敬意を表してくれと乞う貧しき人々にあげることになっている。

 さらに月曜日には、一番高い丘の上に、ぼろ布を巻きつけた冬の藁人形が立てられる。この人形の周りを人々はそぞろ歩く。

火曜日――相手を選ぼう

 もしあなたが独身なら、この日はあなたのためにある。自分のTinderのことは忘れずに、人々の中へと向かおう。マースレニツァ週間の火曜日には、若い人たちはソリに乗ったり、ぶらぶらしたり、冬の娯楽を行ったりする。男性陣は若い女性たちとふざけたりしながら、自分の花嫁を選び、女性たちのほうは、自分の美しさと家庭的な面をアピールする。

 ブリヌイをふるまうことは禁じられてはいないけど、大事なことは――愉快に過ごすこと!マースレニツァを楽しまない人は、その一年を憂鬱で悲しく過ごすことになると言われている。これを信じない理由はない。

水曜日――妻の母のところへブリヌイをよばれに行こう

 マースレニツァ週間の水曜日は、妻の母が娘婿に自分が作ったブリヌイをふるまう。テーブルを豊かにすればするほど、自分の娘の選んだ人によい態度をとることになる。まだ結婚していなければ、これがお互いに両親に紹介するきっかけとなる。そもそも、マースレニツァの伝統の多くは、若い人たちができるだけ早く相手を見つけ、結婚することを目的としている。

 客に行くときには手ぶらでいくものじゃない:家のためのものをなにか、例えば、きれいな食器を贈ってもいいし、焼き菓子やパイなんかをふるまってもいい。

木曜日は一日中ぶらぶらしよう!

 この日は、春をもたらしてくれる鳥の形をしたパンを焼く。そして、日曜日まで続く大マースレニツァが始まる。

 通りでは、朝から晩まで人々がぶらぶらしている。そこには輪舞や縁日、娯楽的な催しもある。ちなみに、今日ではかなり残酷に見える伝統的なマースレニツァもある。例えば、拳闘や、互いにがっぷりと組み合っての取っ組み合いも行われる

金曜日――両親をうちに招こう

 水曜日に妻の母が婿にごちそうしたのを覚えてる?今度は、彼女が自分の女ともだちを連れて訪ねてくる番。婿は姑のために食卓の支度をし、娘がどんな家庭的な伴侶を選んだのかを見せなきゃいけない。妻の両親が、前夜にフライパンからバターまで、ブリヌイを作るのに必要なものを一式、婿に送ってくるなんてことも珍しくなかった。

土曜日――夫の姉妹を迎える

 夫の姉妹をうちへ招き、さらに、親類や友人たちも迎える。お互いに美味しい焼きものや料理をふるまい、手土産を贈り合う。

日曜日――お互いに赦しを請う

 日曜日は「赦罪の日」と呼ばれる。この日は、知り合い同士、すべての無礼にたいし赦しを請う。朝のうちは、罪を洗い流すためにバーニャ(ロシア式サウナ)へ出かける。身内の墓参りをし、墓にブリヌイを供えることもわすれない。晩には、マースレニツァの藁人形に火をつける。こうして、冬が春に席を譲る。

 

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