ソ連時代から愛される「ミモザサラダ」で春の気分を味わおう

ロシア料理
ワシリサ・マリンカ
ソ連時代、あらゆる祝いごとの席で振舞われたこの豪華なサラダは、黄色いミモザの花に似ていることから、何よりも冬の終わりを思わせるものであった。

 ミモザサラダがいつ作られるようになったのかは知られておらず、また誰がこのソ連の傑作料理を考え出したのかも分かっていない。しかし、1970年代にはどの祝祭の宴にもメインディッシュとしてテーブルに乗るのが伝統となるほど、このサラダは国じゅうの主婦の心をつかんでいた。オリヴィエサラダやサラダ「毛皮を着たニシン」ほど有名なサラダさえもこれには敵わないほどであった。ミモザサラダと名付けられたのは、表面にゆで卵の黄身を刻んだものが飾られていて、それがミモザの花を連想させたからである。

 ミモザの花は、今でもロシアで広く祝われる3月8日の国際婦人デーに女性に贈る花と考えられている。3月の初旬といえばミモザの花が咲き始め、春の訪れを告げる時期である。人々は自然とミモザの花と祝日とサラダを関連付けようとしたのだろう。

 このサラダを作る上でもっとも大きな利点は、外国の材料を使わなくても作れるというところである。ソ連時代は、誰もが高価な食材を購入することができたわけではないため、乏しい食材を使ってなんとかしなくてはならなかったのである。そんなわけでミモザサラダは缶詰の魚を利用するのが通例となっている。

 このサラダは簡単な材料だけで作られるにもかかわらず、出来上がりはおいしくて、見た目も美しい。また人気があるのは、おいしいことはもちろん、使う材料がどの家庭のキッチンにもあるものだからである。ミモザサラダの伝統的なレシピで使われるのは、固ゆで卵、缶詰の魚、玉ねぎ、バター、そしてマヨネーズ。もちろん家庭によってそれぞれのレシピがあるが、多くの場合、ジャガイモ、ニンジン、チーズを入れる。中には、クルトンを使う家庭もある。

材料:

作り方:

1.ニンジンとジャガイモは皮を剥き、水を入れた鍋に入れ、沸騰したら塩を加え、柔らかくなるまで煮る。野菜が柔らかくなったら水を捨て、冷ます。

2.かたゆで卵を作る。冷たい水を入れた鍋に卵を入れ、沸騰したら蓋をして火を止め、そのまま8分置いておく。卵を取り出したら、冷水につけ、殻を剥く。こうすることで黄身の色を鮮やかにすることができる。

3.タマネギはできるだけ薄くスライスする。

4.缶詰のサーモンの汁を切る。

5.材料が準備でき、熱が取れたら、一番切れのよいおろし金を用意し、ジャガイモ、ニンジン、卵の白身、そして黄身を順におろしていく。食材を変えるたびにおろし金をきれいに洗うこと。

6.ガラスのボウルを使うか、大きめの丸い型(大きいクッキー型など)をお皿にセットし、サラダの層を作る。まずジャガイモを半量敷く。ふわっとした食感を残すため、上から押さないように気をつけること。ジャガイモの上にスプーン1杯程度のマヨネーズを広げ、ツナ(半量)を置いたら、その上にもマヨネーズを広げる。次にタマネギを薄く敷き、ジャガイモの残りを置き、もう一度マヨネーズを乗せ、ツナを置く。最後にニンジンの層を作り、最後に卵の白身と黄身を広げる。

7.ミモザの花に見えるよう表面をディルで飾り付ける。