9世紀にロシアで最初に作られたプリャーニク(ジンジャーブレッド)は単にライ麦粉、蜂蜜、ベリーの果汁を混ぜ合わせたものであった。これはもっともシンプルなものであったが、もっともおいしいものであったに違いない。なぜなら、蜂蜜が全体のほぼ半分を占めていたからである。その後、11世紀から13世紀ころには、蜂蜜よりもスパイスを加えるようになり、味も徐々にジンジャーブレッドの特徴的なものに変わっていった。
コヴリシカもプリャーニクと同じく、スパイスの味がメインで、ジンジャーシナモンが最も特徴的な風味であるが、最近では、ナツメグ、アニスなど他のスパイスも使われている。さらに、コヴリシカには干しぶどうやかんきつ類の皮の砂糖漬け、ナッツなどが加えられる。プリャーニクは伝統的に間に挟むものとしてジャムしか使われない。
スパイスを除いては、このジンジャーブレッドの生地は特に変わったものではない。使うのは基本的には、小麦粉、蜂蜜、砂糖だけである。コヴリシュカは卵とミルクを少しだけ使うのがちょっと珍しい。また、伝統的なレシピでは、具をつなぐのは蜂蜜と砂糖である。この組み合わせが独特の濃度を作り出すのだ。イーストは使われないので、発酵はしない。コヴリシカは厚く固めの生地からでも、水分が多めのクリームのような生地からでも焼くことができる。また蜂蜜が多く入っているため、長期保存がきくのである。
1.スパイスミックスを作る。シナモン小さじ2、カルダモン小さじ2、クローブ小さじ1/4、オールスパイス小さじ1/2、ナツメグ小さじ1/4、ジンジャーパウダー小さじ1/2、ブラックペッパー小さじ1/4、アニス小さじ1/4を挽いて混ぜる。
2.オーブンを160℃に熱する。
3.大きな鍋に水とスパイスを入れ、沸騰させる。同時に、別の鍋にグルコースシロップとハチミツを入れ、60℃まで温める。
4.グルコースシロップとハチミツを混ぜたものを沸騰させたシュガーシロップに注ぎ、均等になるよう泡立て、火から下ろす。
5.ボウルに小麦粉、塩、ベーキングパウダーを入れて混ぜる。
6. 5をスパイスと一緒に鍋に入れ、その他の乾燥した材料を木のスプーンで加える。
7.卵黄とスパイスを加え、混ぜる。
8.室温に戻して溶かしたバターとベーキングソーダを加える。
9.均等にどっしり粘りのある生地ができる。
10.焼型にクッキングペーパーを敷き、バターを薄く塗る。生地を流し込む。型は一般的に正方形または長方形のものにし、焼く前の厚みは2–2.5センチくらいにする。
11.コヴリーシカを温めたオーブンに入れ、45分から1時間ほど焼く。楊枝を刺して、生地が付かなければ、オーブンから取り出して冷ます。
12.コヴリーシカをひっくり返して(底面の方が平らなため)、上下2層に切る。下の層にアプリコット、チェリーなど、少し酸味のあるジャムを塗り、上の層をかぶせる。
1.材料をすべて混ぜ、なめらかになるまでミキサーで5分混ぜる。
2.コヴリーシカの表面にグレーズを塗り、スパチュラなどを使って平らにする。1時間以上置いてグレーズを乾燥させる。
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