ロシア人が薬よりも頼りにするベリーのお茶3選

ロシア料理
トミー・オカラガン
 森林が雪を迎え、人々の咳が聞こえだしたら、ロシア人は冬を無事に過ごすためにまずこれらのベリーのお茶を飲み、風邪をノックアウトする。

1.クランベリー

 ロシアの辺鄙な場所で作られているため、やや人気がなくなってきているものの、ロシア人はまだまだクランベリーをよく食べる。それは、クランベリーが抗酸化食品で、減量にも有効であるとされているからだ。朱色のベリーに含まれている糖分が脳の活動を高める作用があると証明されてからは、クランベリーティーはより注目されている。そのため、この飲み物はソ連時代には国の要職に就いている人たちに紹介され、アメリカとクランベリーの生産でも競い合った。

 クランベリーティーは、はっきりとしたフルーティーな味わいを持ち、他のフルーツやスパイスともよく合う。実際、クランベリーティーはそれほどコクがないので、他の素材を加えることによって、最高の味が引き出される。

クランベリーとオレンジのお茶をつくるのに必要なもの

ステップ1 クランベリーはよく洗い、乳鉢ですりつぶす。

ステップ2 クランベリー、オレンジ、緑茶、ショウガ、シナモンを沸かしたお湯に入れ、鍋で火にかける。沸騰したら火を止め、蓋をして15分煎じる。

ステップ3 ハチミツを加え、かき混ぜ、漉す。

ステップ4 オレンジのスライスを添えて出す。

2.シーバックソーン

 この琥珀色の驚異の低木は、ロシアのカフカスが原産地で、何百年も前から飲みものの材料として使われている。実際、シーバックソーンは、ロシアでもっとも知られている民間療法の薬で消炎作用や免疫力を高めるのに有効で、風邪を食い止めるとされている。驚くことに、シーバックソーンは柑橘類よりもビタミンCが豊富で、小麦よりもビタミンEが多いとさえ言われている。馬が食べるのに十分適していると思われているものがあなたの健康にも良いことは間違いない。

 シーバックソーンはとてつもなく健康的なものであるが、厚い皮と中に含まれる果汁成分のためとても水分が多く、甘酸っぱい独特の味がある。さらに、お茶に混ぜると、信じられない色に変わる。

ジンジャー入りシーバックソーンティーを作るのに必要なもの

ステップ1 ショウガは皮をむき、おろし金でおろす

ステップ2 シーバックソーンは良く洗って、乳鉢でおろす

ステップ3 ハチミツ以外の材料を鍋に入れて火にかけ、沸騰したら火を止め、10分間煎じる。

ステップ4 ハチミツを添えて出す。

3.ローズヒップ

 あるロシア人の言うことを信じるなら、ローズヒップを十分に取れば、脳卒中や心筋梗塞になることはない。根拠はロシアのスーパーベリーはほとんどすべてのビタミンを含んでいる点にある。ローズヒップはビタミンA、B2、C、E、Kに加えて鉄分とリンも含んでいる。

 ピンク色したこのベリーは、何世紀もの間、ロシアでは大切な食糧であった。初夏に美しい花を咲かせるローズヒップの木は古代スラヴ人の間では「自由の木」と呼ばれていた。実際、ローズヒップはロシアのヨーロッパ側で夏の間に多く見られ、多くの人に愛されている。人々は、暖かい時期にこのベリーを乾燥させておき、冬にこの心温まる飲み物を作るのである。

 医学的な効用があり、また乾燥クランベリーに類似していることもあり、ローズヒップを煎じたお茶は他のより味の良いベリーの代わりにはならない。事実、渋味があるためにそれほど人の興味をひかず、薬品として使われることが多い。しかし、ミント、ハイビスカス、ショウガ、レモンを加えて飲めばおいしいお茶になるし、砂糖を入れればベリーの渋味も抑えられる。

ローズヒップとハイビスカスのお茶を作るのに必要なもの

ステップ1 ローズヒップとハイビスカスの花を5分間静かに煮たら、スプーンでローズヒップを柔らかくつぶし、さらに10分間煮る。

ステップ2 ショウガをすって加え、鍋を火にかけて沸かす。

ステップ3 ハチミツを加え、レモン汁を絞ったら、2分間待つ

ステップ4 漉して出す。