外国人シェフがアレンジしたロシア料理:フランスのレジス・トリジェルが作るビーフ・ストロガノフ

ロシア料理
マリア・スタンブラー
 ビーフ・ストロガノフは、帝国ロシア時代に貴族、パーヴェル・ストロガノフ伯爵のために作られた料理である。しかしソ連時代以降は一般に広く人気となり、ロシア中の食堂でやカフェで出されるようになった。ここではみなさんにちょっぴりモダン・フレンチ風のビーフ・ストロガノフの作り方をご紹介しよう。

 フェデレーション・タワーの62階にあるヨーロッパ最高級のレストランSixtyの料理長であるレジス・トリジェルさんはモスクワの高級料理界の重鎮である。シングルマザーの家庭に育ったフランスのパリ出身のトリゲルさんが料理をするようになったのはわずか5歳のとき。彼はマンガを読む代わりに祖母のレシピ本を読んでいたのだという。しかし必要に迫られてやっていた料理に次第に熱中するようになり、25歳のときには調理人ではなく、シェフになろうと決意した。

 夢を叶えるため、彼はフランスとスイスの最高のレストランで、アラン・ビュロー、エリック・ブリファー、クリストフ・ルルーといった一流シェフと働いた。

どうやってモスクワに来たのですか?

 飛行機です!と言うのは冗談ですが、本当のところ、ある日、何かを変えたいと思い、別の場所で働こうと決心しました。2005年のことです。そのときはモスクワがどこにあるのかも知りませんでした。モスクワに到着した日はなんだか恐ろしかったです。6ヶ月間働いている間、毎日帰りたいと思っていました。しかし残ることにしました。当時は毎日面白かったです。まるで大人のためのディズニーランドのようでした。モスクワも今では非常に洗練され、成熟し、「未開の東方」的なモスクワは過去のものになりました。そしてモスクワはわたしの故郷となり、ここでの生活がとても気に入っています(レジスさんは完璧なロシア語で話してくれた)。

ロシア料理はお好きですか?

 ええ、好きですよ。特にボルシチが大好きです。決まり文句のようですが、わたしは昔からビーツが好きなのです。あと、わたしも元々マヨネーズのような脂っぽい素材は嫌いなのですが、新年の料理の中では、ヘビーな食べ物ですが、「毛皮を着たニシン」が好きです。

ロシアで、フランス料理をより豊かにできるような素材との出会いはありましたか?

 サジーなど豊富なベリー類、それからオームリという魚。広大なロシアを旅行して、さまざまな素材やハーブと出会いました。事実、ロシアはわたしに酢漬け、塩漬けというものを再発見させてくれました。

ビーフ・ストロガノフ スモーク・パプリカとマッシュポテト添え

材料:

ミートソースの材料:

マッシュポテトの材料:

作り方

ビーフ:

1.マッシュルームは小さめに切る。エシャロットも小さめの角切りにする。コルニションも小さな角切りにし、ケッパーも細かく切る。

2.牛肉は細切りにし、オリーブオイルで2~3分炒めたら、マッシュルームとエシャロットを加え、2~3分炒める。生クリーム、ミートソース、コルニション、ケッパー、ハーブミックスを加えて、2~3分煮込む。塩コショウで味を整える。

ミートソース:

 温めた鍋に牛肉を入れ、洗って皮をむいた野菜を加えて、トマトソースと水を入れる。タイムを加え、水分が少なくなるまで煮る。ソースが出来上がったら、ざるで濾す。塩コショウ、バターで味を整える。

マッシュポテト:

 ジャガイモを茹で、水気を飛ばす。生クリーム、バターを加え、よく混ぜたら、粒マスタードを加える。

盛り付け方:

 プレートにマッシュポテトを盛り、出来上がったビーフストロガノフをその上にかけ、プレートをハーブで飾り、スモーク・パプリカを振りかける。