サンクトペテルブルグでバルト海風味のロシア料理を味わえる5つのレストラン

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土地の魚、自家製のお酒、革命前からの歴史あるレシピ。現代のサンクトペテルブルグが食通の皆さんに提供できるものはたくさんあります。

1) ロシア・ウォッカの部屋♯1

 ロシア・ウォッカの部屋♯1は来年10周年を迎える。19世紀の貴族向けのレストランの雰囲気を再現。「分別があって上品で、このレストランはまさにチェーホフの短編から出てきたような場所だ」とサンフランシスコを拠点とする独立系の映画製作者で8月にここを訪れたロケ・ヘルナンデスさんはこう語った。

 「ここは色々なウォッカや自家醸造のリキュールを試すのに最適な所です。前菜は4種類の魚の燻製で、バイカル湖産のオームリ(サケ属の魚)とシグというロシア極東産の白身魚が使われています。印象深いメイン・コースはラドガ湖産のパイクパーチのフライで、付け合わせはマッシュポテトでした。」

 食通は前菜とサラダの豊富さに喜ぶことだろう(もしまだロシア料理に馴染みがなければ、ウォッカ向け軽食セットを2つ選べばよい)。また歴史好きであれば、隣接するウォッカ博物館を訪ねるのもよい。

2) ドーム

 ドームは立地が良い。何軒かの五つ星のホテルが近くにあり、聖イサーク大聖堂からも徒歩3分。このレストランは、"新しいロシアの美食"を提供しながら、かつて露米会社の本部があった歴史的な建物の中にある。露米会社は、ロシアのアラスカ探検で重要な役割を果たした会社である。

 「デカブリストのコンドラティー・ルィレエフが、露米会社事務局の局長だった時にここに住んでいました」と話すのは料理批評家のナタリヤ・カピトゥロヴァさん。「現在の厨房は彼の寝室があった場所にあります。所有者らは貴族的な精神を保存し、強調するよう努めています」とナタリヤさんは続ける。「私のお薦めはペリメニ、チェリーのヴァレーニキ、それからウハー(魚のスープ)。ウォッカ一杯と合わせてどうぞ。ここはザリガニの尻尾を使ったオリヴィエ・サラダのオリジナルレシピに出会える珍しい場所です。」

 今年"ドーム"はTripAdvisorのウェブサイトでトラベラーズ・チョイス賞を獲得した。このサイトではユーザーが絶えずデザートの"アンナ・パヴロヴァ"や"ナポレオン"について賞賛のコメントを残している。

3) コリュシカ

 コリュシカというレストランの名前は、ロシア語でキュウリウオを表す語から来ている。キュウリウオは地元の人々の間でバルト海の魚の女王と考えられている。4月下旬にシーズンが始まり、コリュシカが路上でも売られるようになると、誰もがその新鮮なキュウリのような匂いによってそれを認知する。魚の他に、このレストランは幅広いグルジア料理を提供している。

 ドイツから来たスヴェン・バックハウスさんはロシア人のガールフレンドとともにここを訪れた。この場所はネヴァ川の眺めが美しく、エルミタージュ美術館も近いということを知っていたからだ。「このレストランは春だけでなく一年中キュウリウオを出していることで知られています。料理はハチャプリやハルチョスープ、キュウリウオ、ナスなど数品注文しましたが、どれも美味しかったです!」と彼は話した。

 1703年に街の基礎が置かれた島にあるペトロパヴロフスカヤ要塞を訪れれば、"コリュシカ"を見逃すことはまずない。スヴェンさんは店内の雰囲気も気に入ったという。「木の橋から門まで私たちを連れて来てくれた、レストランの車の運転手を含め、スタッフがとても気さくだったことも気に入りました。」

 彼は同じレストラン・チェーンの"ツァーリ"、"モスクワ"、"カチューシャ"も訪れるよう薦めている。

4) ヤッチ

 ヤッチは1918年にボリシェヴィキに廃された古いキリル文字から来ている。このためレストランの創立者は革命前の料理から最良のレシピを選ぶことを目指している。「ここには、ロシア料理を出している街の中心寄りのレストランにありがちな駄作はありません。」ツアーガイドとして4年間働くアナスタシア・シェフチェンコヴァはこう話す。

 「ここの伝統料理は地元の高品質の食材で作られていますが、私がお薦めするのは、旅行者向けでない、アラカルトメニューです。自家製の数あるお酒のうち少なくとも1つは試してみてください!  ホースラディッシュか、あるいはジンジャー味で、外国人にとってはどれも正真正銘の一級品です」とアナスタシアさんは続けた。「ベジタリアンなので、私はいつもキノコ入りのパンケーキを注文します。」

 心地の良い枕や子供用の玩具のあるティールームもある。ここには可愛らしい本物のウサギたちもいる。

5) シュトレ

 シュトレはカフェの巨大チェーンで、パイで有名だ。第1号店は15年前に、歴史的にサンクトペテルブルグのドイツ人コミュニティーの居地であったことが知られるヴァシリエフスキー島にオープンした。店名がサクソン人のクリスマスケーキ"シュトレン"を思わせるのはこのためだ。現在は市内に21店舗があり、またロンドンとニューヨークとに代表店がある。

 カリフォルニアから来たリサ・ミーロイさんは、スピードランチの店としてシュトレを薦める。

 「たくさんのパイから選ぶのは容易なことではありませんが、まずはメニューからスープを見つけ、そこから始めてください。ボルシチは傑出していて美しいですが、それは他のものを選んでも同じことが言えます。私たちは大勢で来てメニューを回しました。パイが来てみると、どれもゴージャスでハンドメイド、アツアツで金色、それまでに食べたどんなものにも似てなくて、すごく美味しかったです!ネギ味が特に気に入りました。」

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