ソ連の主婦は、どうやったら家族に幸せを強く感じてもらえるかを知っていた。それはおいしい、おいしいデザートをつくること!
パイ生地、ピーナッツ、バター・クリームで、おいしい「ポリョト(飛行)」ケーキをつくれることを誰もが知っていた。
このケーキがどのようにしてあらわれたのかは謎で、昔の年代記にも記述はない。1956年、ウクライナ共和国(当時)のキエフで考案された有名なキエフスキー・ケーキと共通点は多いが、ポリョトがキエフスキーの派生だという明白な証拠はない。
いずれにせよ、祖母の世代が大きな祝いごとのある時に使っていたソ連のレシピがあるのだから、つくっちゃおう!
パイ生地の材料
・ ピーナッツ 130グラム(カシューナッツやアーモンドで代用可)
・ 卵白 5個分
・ 砂糖 320グラム
・ バニラシュガー 大さじ1
・ 塩 小さじ1/2
クリームの材料
つくりかた
1. ピーナッツを15分間炒め、皮をむいて粉砕する。
2. 卵白に塩を加えて泡立て、砂糖とバニラシュガーを少しずつ加えていく。この工程は7~8分かかる。卵白の混合物を大さじ1取る(後で使う)。次にピーナッツを入れて、軽くかき混ぜる。この混合物をまた大さじ1取る。
3. 天板にクッキングシートを敷いて、生地の半量をのせて、丸く伸ばし(直径20センチ)、別の天板にもクッキングシートを敷いて、残りの生地の半量をのせて、丸く伸ばす(同じサイズ)。空いたスペースに、さきほど残しておいた大さじ1杯分をメレンゲ・クッキー用に丸く置き、残りの大さじ1杯分を任意の形のかたまりに置いていく。100℃に熱しておいたオーブンに入れて、2時間焼く。
4. クリームをつくる。鍋に卵黄と牛乳を入れて混ぜ、弱火にかける。数分たったら、砂糖とバニラシュガーを加えて、沸騰させる。4分ほど経過して、固くなってきたら冷ます。
5. バニラシュガーとバターを泡だて器で混ぜて、混合物に加える。コニャックを加える。
6. 次にケーキをつくっていく。クリームを小さじ1杯分取る。残りのクリームを半分にわける。半分のクリームをパイ生地の上に塗り、その上にパイ生地を置く。その上と、側面に、残りの半分のクリームを塗る。
7. オーブンで焼いておいた大さじ2杯分を、ここで使う。GOST(ソ連国家規格)によれば、この大さじ2杯分はポリョトのデコレーションに使う。丸いメレンゲ・クッキーをケーキの上面に置く。もう一つのかたまりは破砕して、ケーキの上に振りかける。
酒に弱い場合、または酒が嫌いな場合は、コニャックを追加しない方がよい。甘いデザートが苦手な場合は、砂糖を減らす。
ポリョトは数時間置いてからふるまう。こうすることで、クリームがパイに浸透し、とてもおいしくなる。
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