ゼフィールの発祥は不明で、憶測が多い。一つだけはっきりしていることは、パスチラ(ベリーとリンゴのピュレからつくられる焼き菓子)の派生菓子ということである。パスチラの材料はフルーツ、ベリー、蜂蜜のみ。
パスチラは14世紀に食べられるようになった。その約100年後に、見た目が美しく、白くなるようにと、卵白が加えられるようになった。パスチラに泡立てた卵白を入れることを考案したのはフランス人だと考えられている。このフワフワした菓子が、ゼフィールと呼ばれるようになった。
これはギリシア神話の西風の神の名である。この心地良い風は、とても繊細で軽い。
ゼフィールをマシュマロだと考える人がいるが、正式な類似点はあるものの、まったく別の食べ物である。マシュマロには卵は入らない。
ゼフィールはソ連で最も愛されている菓子の一つだった。安くて、どこの食料品店でも買えた。ゼフィールには、 ホワイト、ピンク、ホワイト・ピンクの3種類ある。まれにチョコレートのかかったゼフィールもあった。私の祖母によれば、「デフィツィト(不足)」と呼ばれるほど珍しかったという。
ゼフィールを家庭でつくる人はほとんどいなかった。祖母に聞いてみると、驚きながら「あるわけないわ。どこでも売ってたからつくる必要がなかったの。レシピも誰も知らなかったし」と答えた。
今日、レシピは出回っている。伝説的な菓子を誰でもつくることができるようになった。
・ フルーツまたはベリー 125グラム(ピュレにして)
・ 砂糖 100グラム
・ 卵白 1個分
・ ふりかけ用上白糖 適宜 シロップ
・ 水 75ミリリットル
・ 寒天 5グラム
・ 砂糖 200グラム
1. 最初にピュレをつくる。私はリンゴとチェリーを2対1で混ぜる。リンゴにはペクチンが多く含まれているため、ぴったりで、チェリーを入れると少し酸味が加わる。リンゴの皮をむいて、乱切りにする。鍋に水を大さじ2~3杯入れて、リンゴとチェリーを加える。
2. 弱火で柔らかくなるまで煮る。火を消して、余分な水を捨て、フードプロセッサーに入れてピュレにする。フードプロセッサーがない場合は、裏漉しする。ピュレはドロドロしていること。水っぽい場合は、数分煮る。
3. ピュレを125グラムとり、きれいな鍋に入れ、砂糖を加えて、砂糖が完全に溶けるまで煮る。火からおろして、冷所に2~3時間置く。ピュレを完全に冷やす。
4. ボウルに冷たいピュレと卵白を入れる。白くなるまで高速で混ぜる。
冷蔵庫に入れる。置き型タイプのミキサーがあると、シロップと卵白入りピュレを同時につくることができる。
5. シロップは、寒天、水、砂糖をきれいな鍋に入れてつくる。中火でゆっくり混ぜる。シロップが沸騰したら、寒天が焦げないようにかき混ぜる。シロップは濃厚で、スプーンからしたたり落ちないようになる。シロップの沸騰には通常、4~7分かかる。
6. シロップができたらすぐに卵白入りピュレに加えて、中速で混ぜる。高速に切り替えて、約5分混ぜる。粘度の高い均一なペーストのゼフィールになる。絞り袋に入れて、クッキングシートの上で絞っていく。
7. ゼフィールが完全に乾くまで、6~12時間置く。同じ大きさのものを2つ取ってくっつけ、上白糖をふりかけて、余分な上白糖を落とす。ゼフィールは、冷蔵庫または冷凍庫で保存する。
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