宇宙配達:新興企業が軌道輸送ビジネスを開拓

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ヴィクトリア・ザヴィヤロワ
 ロシア人起業家ミハイル・ココリチ氏が設立した米国の新興企業モメンタス社が、DHLやフェデックスが地球上で提供しているのと同じサービスを宇宙で行おうとしている。ただし数百万ドルの「パッケージ」付きだ。同社は、衛星をある軌道から別の軌道へと移すことを計画している。

 11月中旬、モメンタス社は、世界的な投資会社(プライム・ムーヴァーズ・ラブ社、リキッド2ベンチャーズ社、ワン・ウェイ・ベンチャーズ社、マウンテン・ナスカ社、そしてシリコンバレーに拠点を置くYコンビネーター社)から830万ドルの資金を得た。

  モメンタス社はこの資金を利用し、水プラズマエンジンで推進する「ヴィゴライド」ロケットを打ち上げて衛星を宇宙に送る予定だ。創業者ミハイル・ココリチ氏によれば、最初の試験は2019年に始まるという。

  ヴィゴライドは最大50キログラムの貨物を、低軌道から静止遷移軌道、静止軌道、月周回軌道、その他の目的地へと輸送することができる。

  ココリチ氏は、彼の新発明品が宇宙輸送の費用を劇的に削減することになると考えている。「宇宙輸送を格安にしたい」とココリチ氏は言う。「私たちのサービスによって、地球から月の軌道へと100~200キログラムの貨物を輸送するための費用は1000万ドルを下回るはずだ。」

 モメンタス社は、より効率的な推進力を模索していた衛星オペレーターらとの話し合いから生まれた会社だ。

  「我が社は企業と存在が宇宙で繁栄することを望んでいる。そして真に効率的な宇宙輸送手段を作り出すことで、それが可能になると確信している」とモメンタス社はウェブサイトでその任務を説明している。「我が社の輸送サービスは活発な宇宙資源利用を勢いづけると同時に勢いづけられ、太陽系内輸送の新時代の到来を告げるものである。」

  ココリチ氏によれば、同社は化学物質の代わりに水を推進剤として利用する新テクノロジーの開発に取り組んでいる。水は宇宙空間に豊富にあり、低軌道を越えるフライトにはより効率的だからだ。

  モメンタス社は別のロケット「アードライド」の試験を2020年に予定している。このロケットは、180グラムの貨物を低軌道から月周回軌道へ、あるいは250キログラムの貨物を静止遷移軌道から火星周回軌道へと輸送するよう設計されている。