食品の値上がりにどう対処するか

コンスタンティン・チャラボフ/ロシア通信撮影

コンスタンティン・チャラボフ/ロシア通信撮影

ロシア政府は消費者物価の急上昇を強く懸念している。インフレ対策として貧困層向けにフードスタンプ(食糧配給券)を発券することを計画しており、また小売業界には食品価格の凍結を要求した。

 ロシア政府は食品価格の急激な上昇を抑制するため、一連の緊急措置を講ずることを決定した。近々、貧しい人向けのフードスタンプ制と、「車輪付きの店」すなわち移動販売の発展に向けた一連の対策を開始する。「国内の食品市場を発展させるためには、行政対応だけでは不十分で、消費者に高品質かつ安価な商品を安定供給するシステムを構築しなければならない」とドミトリー・メドベージェフ首相は大手小売チェーンの幹部との会合で語った。ロシアのメディア「RBC」がこれを伝えた。

 ロシアの投資分析会社「フィナム」のアナリスト、ティムール・ニグマトゥリン氏によると、国は価格規制に普通の市場手段を活用しているという。その一つは貧しい人向けのフードスタンプの暫定発券であり、そのようなプログラムはすでにロシアで実施されている。

 

国は現状を放置できず

 

 ロシア連邦国家統計局のデータによると、ロシアの食品価格は2014年、16.7%値上がりし、2015年の最初の2ヶ月でさらに6%値上がりした。価格上昇の要因の一つとして専門家があげるのは、ウクライナ情勢を受けて対ロシア経済制裁を発動した国からの輸入を禁じる報復措置。 その結果、ロシアへの生物由来製品の輸入は2014年、42%減となった。具体的には乳製品33%減、肉と肉の副産物は32%減。このような状況で、政府は介入せざるを得なかった。

 最高検察庁は主要な小売チェーンの食品価格上昇の理由を調べ、一部チェーンの市場操作を指摘。モスクワだけでも418件の行政事件が立件された。これを受けて、社会的に重要な商品20点につき、2ヶ月間の価格凍結が発表された。

 メドベージェフ首相は、国家的な食品価格規制に完全に戻ることは不可能だと説明した。「食品市場の活動規定を変えることのできる現代的なツールがある。まず、競争促進、可能な限り多くの商業プラットフォームを創設する可能性」。デニス・マントゥロフ産業貿易相は会合後、政府が「車輪付きの店」の開業手続きを簡素化しようとしていると述べた。

 

代替ソリューション

 ロシア経済・国家行政アカデミーのヴァジム・ノヴィコフ上級研究員はこう考える。「一般の人をすぐにでも助けられる手段は一つだけ政府にある。それは社会的に重要な商品の輸入関税を撤廃すること。価格規制の誘惑回避がうまくいけば、価格は1ヶ月で下がり、その後さらに下がる」。ロシアの禁輸措置の対象となったメーカーの生産拡大をそそるのは高価格であるという。

 「物価上昇は合理的な範囲内で維持することが可能。この課題の解決に多くの努力が払われている」と、ロシアの投資会社「UFS IC」の主任アナリスト、アレクセイ・コズロフ氏は話す。大胆な解決策の一つとしてコズロフ氏があげるのは、現在ロシア下院(国家会議)が取り組んでいるロシアの「商業」法の改正。特に、供給業者向けに差別的条件を設けた小売チェーンは、500万ルーブル(現行レートで約975万円)の罰金が科せられる可能性もある。