ビジネスに関するプーチン大統領の発言

コンスタンチン・ザヴラージン撮影/ロシア新聞

コンスタンチン・ザヴラージン撮影/ロシア新聞

ロシアのプーチン大統領は、オフショアからの資本の還流に対する大規模な「恩赦」や中小企業に対する税の「休暇」を提案したが、専門家らは、それらの提案の一部はやや遅きに失した感があるとみなしている。

 ロシア議会上下両院の議員を前に演説したウラジーミル・プーチン大統領は、大がかりなロシア経済自由化プログラムを発表した。同大統領は、とくに、オフショアからの資本の還流に対する「恩赦」および中小企業に対する税の「休暇」を提案したが、専門家らは、それらの提案の一部はやや遅きに失した感があるとみなしている。 

 12月4日、ロシア議会上下両院の議員を前に演説したウラジーミル・プーチン大統領は、大がかりなロシア経済自由化プログラムを発表した。毎年、大統領は、連邦議会向けの教書演説を行っている(アメリカの大統領が議会上下両院向けに一般教書演説を行っているのと同様に)。今回、プーチン大統領は、2018年までにロシア経済への年間の投資の水準を国のGDPの25%にまで至らせることを目標に掲げた。

 分析機関Alte et certeの代表であるアンドレイ・エピファンツェフ氏はこう語る。「大統領の教書の経済の部分では、脱オフショア化政策、さまざまな形での中小企業支援、チェックの公開性、税の休暇といった、前向きな点が、数多く指摘されました。ロシアは、世界の資本市場から隔絶された状況のなかで投資を探さねばならず、プーチン氏は、国外へ流出した資本および企業へ好ましいシグナルを発信しています」

 

資本の還流

 プーチン大統領は、オフショアから資金を戻す大がかりなプログラムは経済への投資を増やす方法の一つである、とし、そのために、ロシアへ戻される資本の完全な「恩赦」を実施することを提案し、「ロシアにおける自分の資産や資金を合法的なものにする人は、さまざまな機関によって追及されず資本の入手先や入手方法を問われない確たる保証を得る」と述べた。しかも、「恩赦」に基づいてロシアへ戻される資本は、追加の課税を免れる。

 投資会社UFS IC の主任アナリストであるイリヤ・バラキレフ氏は、こう語る。「大統領は、予想どおり経済自由化の路線をとりましたが、それが完全な孤立に取って代わりうる唯一の選択肢だからです。資本の完全な恩赦という構想は、一度ならず協議され、試みられたことさえありましたが、とくに需要はありませんでした。現在、資本があらゆる追及や課税を免除されるというさらに踏み込んだ案が示されており、これがどれくらい機能するかは、追加の刺激策やロシア指導部に近い実業家らの実際の反応にかかってきます」

 投資ホールディング「フィナム」のアナリストであるアントン・ソロコ氏はこう述べる。「オフショアの資本がいつかロシアへ戻ってくるとしたら、それは、経済発展の極めて強い原動力となるでしょう」

 しかし、バラキレフ氏はこう語る。「グローバル的にみると脱オフショア化のためにはそれでは足りません。会社は、税を逃れるためばかりでなく、たとえば国際法廷における自分の利益の最良の保護やロシアに明確な法的基盤をもたない取引のストラクチャリングのためにも、他国の管轄下で別の法律に基づいて登録された企業を利用しています。そうした取引がロシアへ至るためには、法律や司法制度の長く容易でない進化が必要であり、それを短期間で変えることはまず無理でしょう」

 

ビジネスへの支援

 プーチン大統領は、新しい企業に対する優遇および現行の税制度が保持される保証をビジネス発展のための追加の刺激策とみなしており、ロシアにおける税の条件は4年間変更されずその間は国内で新たな税は導入されない、としている。しかも、ゼロからスタートする企業には、2年間、税が優遇されることになる。イリヤ・バラキレフ氏はこう語る。「行政上の負担の軽減が掛け声倒れでなければ、それは、中小企業活動の発展を促すでしょう」。アントン・ソロコ氏はこう述べる。「それは、現在さかんに言われている予測可能な未来へ向けた一歩です。というのも、経済が将来どうなるか予測できないがためにロシアのビジネスも消費者も長期的な投資プロジェクトには二の足を踏んでいるのですから」

 プーチン大統領は、今回の決定は原料以外の製品の輸出を1,5倍に増やすとし、そのために、自国の生産とテクノロジーの発展および大型プロジェクトの実現に関する調整センターをロシア政府内に設けることを提案した。

 研究総合大学・高等経済学院のドミトリイ・エフスタフィエフ教授は、「これからは、国外の状況ではなく国内の経済成長源が重視されましょう」と語るが、アンドレイ・エピファンツェフ氏は、教書は遅きに失した感がある、とし、こう述べる。「現在ロシアが直面している問題や挑戦を考慮すれば、変化を含んだより深い内容の教書になってもよさそうでしたね」