ウラジオに自動車関連の経済特区

新たな経済特区のプロジェクトは自動車産業の需要にもとづいている。具体的にはマツダとロシアの自動車メーカー「ソレルス」の合弁事業だ。=ヴィターリイ・アンコフ撮影/ロシア通信

新たな経済特区のプロジェクトは自動車産業の需要にもとづいている。具体的にはマツダとロシアの自動車メーカー「ソレルス」の合弁事業だ。=ヴィターリイ・アンコフ撮影/ロシア通信

ウラジオストク市に自動車関連の経済特区が創設される。プロジェクトの第一段階では「マツダ」の自動車が組み立てられる予定。地元政府は特区が地域経済の刺激になればと期待する。

マツダと「ソレルス」の合弁事業

 ドミトリー・メドベージェフ首相は18日、ウラジオストク市に新たな経済特区が開設されることを政府会議で明らかにした。特区内では税優遇措置などが適用される。ユーリ・トルトネフ副首相によると、特区創設によって3400人分の雇用が生まれるという。

 プロジェクトは自動車産業の需要にもとづいている。具体的にはマツダとロシアの自動車メーカー「ソレルス」の合弁事業だ。投資の90%以上をロシア側が負担し、日本の会社は5%を自動車部品の生産や物流などに投じる予定。

 ロシアの投資分析会社「インヴェストカフェ」のアナリスト、ティムール・ニグラムリン氏はこう話す。「ロシアの経済成長の速度が低下する中、経済特区などでの税の負担軽減や輸出入の優遇は地域の発展に寄与する」。またGRP(域内総生産)の伸びや極東の失業率の低減といった効果も、生む可能性があるという。

 「経済特区自体は、ソレルスとマツダの合弁事業に90%関連している集中プロジェクト。これが広域的な影響をもたらすことはないだろう。ただ極東の自動車は、日本や韓国からの半合法輸入中古車であるため、正しいアイデア」と、ロシアの投資会社「UFS」の主任アナリスト、イリヤ・バラキレフ氏は話す。

 

地域経済への刺激

 バラキレフ氏によると、ロシア極東の自動車愛好家に地元で生産された自動車を購入させるという活動は、地元政府にとって困難なものとなるが、最終的には地元の予算やイメージにも貢献することになるという。「極東には発展のための複合的アプローチが必要」

 極東の既存の経済特区は苦戦しており、特に整備されたインフラの一部にあまり需要がないという。そのようなプロジェクトの一つは2012年にAPECが開催されたルースキー島。地元政府は当初、ルースキー島にカジノ特区を創設しようとしていた。だがAPEC直前にその決定を変更。結果的に極東連邦大学が入った。連邦政府は翌年、極東全体を最大限に緩やかな税制が導入される優先開発区に指定する計画を立てた。このために極東発展省も創設されたが、優先開発区案は承認されなかった。

 「新たな経済特区の影響を過大評価して、極東全体に波及すると考えるべきではない」と、ロシアの投資会社「フィナム・マネジメント」の上級専門家であるドミトリー・バラノフ氏は述べた。それでも、特区創設がこの地域に「精神的」な好影響を及ぼし、投資家の極東への追加的な関心を集め、新たなプロジェクトにつながる可能性はあるという。また、このプロジェクトによって機械製造の割合の増加、特区外での関連工場の創設などが可能になるという。特に極東にマツダの自動車部品の工場、関連製品の生産工場が創設される可能性もある。