バム鉄道 着工40年

タス通信

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この夏、バイカル・アムール鉄道(略称バム)が着工されてから40周年を迎える。

 第2シベリア鉄道とも呼ばれたバムはタイガ(亜寒帯林)、七つの山脈、11の大河を貫き、太平洋に至る第二の出口をロシアにもたらし、へき地の資源を手の届くものにした。東シベリアと極東を通る輸送路を建設する構想は19世紀末に生まれていた。ロシア政府がそれに関心をもったのは日露戦争での敗戦(1905年)以降。東部国境の強化が必要になってからだ。それから実地調査が行われたが、第一次世界大戦とロシア革命がそれを妨げた。

完工は1984年

 バム鉄道の中枢部分の建設はソ連時代の74年に始まり、84年レール敷設を完了した。以後、鉄道線を延長した。この「世紀の大建設」には約200万人が参加した。ある者はロマンを求め、ある者は高給に引かれてやって来た。彼らの多くはそのままバム鉄道沿線の都市や集落に残ったが、これらの街は90年代初めからさびれ始めた。
 バム鉄道は全長約4300キロ。イルクーツク州タイシェトからバイカル湖の北側を通り、日本海沿岸のソビエツカヤ・ガバニに達する。1日に通過する列車運行は約10本にすぎず、輸送量も年間約1200万トンと少ない。旅客数は年間1200万人で、ロシア全体の約1%にとどまっている。現在の輸送量は微々たるものだが、それでもソ連時代の戦略は実現されたといえる。バム鉄道開通により懸案の一つが解決された。ロシア国境近くを走るシベリア鉄道東部区間が何かの理由(例えば、中国との紛争)で使用不能になった場合、極東地域への輸送ルートを確保できたからだ。

4287キロバム鉄道の全長。

142バム鉄道の橋の本数。11の大河、7つの山脈を越え、永久凍土と地震多発地帯を1000㌔以上通らねばならず、8つのトンネルをを建設する必要があった。

1200トンバム鉄道の年間輸送量。1日に通過する列車の本数は約10本にすぎず、旅客数は、年間1200万人で、ロシア全体の約1%にすぎない。 

1日タクシモ市―ビチム間の5400㍍の線路が敷設された日数。世界記録である。

誇り今もバム建設 

 ソ連時代にロシア人といえば「読書家」のイメージが強かった。21世紀のロシア人たちはどうなのか。ロシアの調査機関「世論基金」が気がかりな統計を公表した。それによれば、回答者の44%は1年間に1冊の本も読んでいないと答えたという。1年前には「読書に興味がない」という人は32%だった。この現象の背景を掘り下げてみると、紙媒体の不人気に加え、ネット書籍販売の伸長などがある。ただ、一概に読書離れとは言い切れない現在の姿が浮かび上がってくる。 コムソモール先頭に全長428キロのバム鉄道は過酷極まる状況下で建設された。冬は氷点下50度まで冷え込み、夏は羽虫が群がる。

そして、断層が走る地質、頻発する地震。着工当初はヘリコプターがタイガの奥地まで到達できる唯一の輸送手段だった。鉄道は永久凍土と地震多発地帯を100キロ以上を通る。8本のトンネル、142の橋、241の駅を建設する必要があった。バムはソ連全土のコムソモール(共産主義青年同盟)が先頭に立つ突貫工事となった。
 作業班長の一人、イワン・バルシャフスキーさんは回想する。「身を切るような寒風、酷暑、豪雨、雪嵐、心身の極限状態。振り返ると、ある種の悲哀と共に耐え抜いた仲間への誇りがわいてくる」多くの都市をソ連の共和国、都市、自治体の人々が建てた。全線の中央部の都市ティンダはモスクワっ子、ニヤとイカビヤの駅はグルジア人が建設し、ウクライナ人は石炭産業の中心地ノーブイ・ウラル市を創設した。最も困難を極めたのは、ブリヤート工区だ。バイカル湖岸に出るバイカルスキー・トンネル(全長7キロ)とロシア最長のセベロムイスキー・トンネル(同15㌔)を掘削した。高さ2500㍍のバイカル山脈が行く手を阻んだ。絶えず川の水が流れ込み、地震で落盤が起き、大変な難工事だった。

線路敷設の世界記録 

  これに劣らず有名なのがタクシモ市だ。この路線区ではタクシモ市―ビチム間の線路5400メトルがわずか1日で敷設されるという驚異的な世界記録が打ち立てられた。

奥地旅行はバムで
 シベリア奥地を踏破する壮大で、しかも「手あかのついていない」旅行を探すのであれば、バム鉄道で東方を巡ることをお勧めする。ロシアの巨大なエキゾチックで人跡未踏の大地を開拓した人々の感動を追体験できる。

 第2バム建設へ動き出す

  プーチン大統領はバイカル・アムール鉄道(バム)の建設40周年に向けて第2バムの建設を指示した。東シベリア鉄道のタクシモ市-ロジヤ区間にレールが敷かれた。 「バムは一国にとって大きな挑戦であった。軍事・戦略的、経済的意義を持ち、国家全体の多大な努力を必要とした」とプーチン大統領は述べた。バムの貨物輸送量は2020年までに3倍になり、旅客輸送量は18%増えると予測されている。ロシア鉄道はすでに、バム鉄道およびシベリア鉄道を含む、東部領域の発展に着手した。