三井と三菱がヤマル交渉脱退

ロシア通信撮影

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「ヤマルLNG」プロジェクトから日本の企業が外れた。プロジェクトが高すぎた可能性があるが、日本側はLNGにこだわろうとはしていない。

 「ヤマルLNG」プロジェクトの10%マイナス1株の買い手を探している、ロシアの独立系天然ガス生産企業「ノヴァテク」との交渉から、日本の企業連合(「三井物産」と「三菱商事」)が外れた。日本側に近い消息筋がヴェドモスチ紙にこれを語った。

 三菱商事の関係筋は「現在ノヴァテクとの交渉は行われていない」とだけ述べ、三井物産の関係筋も「三菱と三井はヤマルLNGで、ノヴァテクの第3海外戦略パートナーに選ばれなかった」と話すにとどめた。三井、三菱との交渉はすでに1年以上も行われていないと、ノヴァテクの関係筋は話す。フランスの「トタル」(ヤマルLNGで20%の株式を保有)や、中国の「中国石油天然気集団」(20%)はコメントしていない。

 

プロジェクトが高騰が一因か 

 ノバテクのレオニド・ミヘリソン取締役会長は1年前、日本の複数の企業とヤマルLNGへの参加に関する協議を日本で行った。三井、三菱は昨年から今年にかけてプロジェクトの評価を行い、それにもとづいて株式取得の決定を行う予定だったと消息筋は語る。交渉から外れた理由は、プロジェクトが高騰したためではないかという。

 ヤマルLNGの株主に近い消息筋は、日本の企業がプロジェクトの価格上昇を警戒したと話す。ノヴァテクとトタルは12月、ヤマルLNG工場を建設する最終的な投資決定を行った。プロジェクトは事前の見積額よりも35%高い、270億ドル(約2兆7000億円)まで高騰。工場の最初のラインの稼働開始は2016年から2017年へずれ込む。

 契約条件によると、プロジェクトのLNGを毎年、トタルが400万トン、中国石油天然気が年間300万トン、スペインの「ガス・ナトゥラル・フェノーサ」が250万トン、ノバテクの子会社である商社が286万トン購入する。ヤマルLNG取締役会のエヴゲニー・コト議長は最近、「残りについては交渉中。20年以上の長期契約を望んでいる」と話し、日本を良い市場と説明していた。北極海航路はアジア太平洋地域の市場への最短ルートである。

 

「理由はいくつもある」 

 だが日本は、原子力エネルギーに戻ろうとしている。日本側の今回の決定については、いくつもの理由があると、ロシア科学アカデミー世界経済・国際関係研究所の上級研究員であるミハイル・スッボチン氏は話す。「ロシア経済の安定性に確信がなく、プロジェクトが高騰し、世界のエネルギー市場が全体的に変化していること」

 ロシアの「ガスプロム」とオランダの「シェル」は今年初め、「サハリン2」(三井12.5%、三菱10%)の拡大について合意。ガスプロムのアレクセイ・ミレル社長とシェルのベン・ファン・ブールデンCEOは2月、プロジェクトの第3ラインのロードマップに署名を行った。「このプロジェクトへの参入拡大は日本にとってリスクが小さい。すでに稼働しているネットワーク内での流量拡大であるため」とスッボチン氏。

 日本は最大のLNG輸入国である(昨年は8750万トンまたは1220億立法メートル)と、アメリカのコンサルタント会社「東欧ガス分析」のミハイル・コルチェムキン社長は説明する。ロシアの新しいプロジェクトを拒んだ背景には、北米やオーストラリアといった新たなエネルギー国の出現があるかもしれないという。

 

元記事(露語)