「ロシアの海運業には確固たる基盤あり」

国連の専門機関「国際海事機関(IMO)」の関水康司事務局長 =タス通信撮影

国連の専門機関「国際海事機関(IMO)」の関水康司事務局長 =タス通信撮影

国連の専門機関「国際海事機関(IMO)」の関水康司事務局長が、北極海航路の東域を5日間に渡って視察した。IMOは海上航行の安全性の管理や、海洋環境の保護を行っている機関で、関水事務局長はこの新しい航路の安全な利用について、ロシア政府と協議を行った。タス通信のインタビューに対し、関水事務局長が北極海航路、ロシア、この分野の現状などについて語った。

-どのような目的で北極海航路を視察されたのですか。期待通りの結果でしたでしょうか。

 天候、北極の航行条件、砕氷船による他の船舶の支援、無線連絡の機能、地図製作法など、北極海航路の航法の重要な項目すべてを自ら調査したかったので す。抱いていた疑問の答えを得ることができましたし、結果にはかなり満足しています。5日間の視察を実施できたことをとても嬉しく思っておりますし、ご手配いただいたロシア連邦政府ならびに「ロスアトムフロト」の皆様には、大変感謝しております。IMOは現在、航行に欠かせない極域綱領を作成しています。 私は事務局長として、北極海航行がいかなるものかを明確に示さなければならなかったので、この視察は私にとってとても重要だったのです。

 

-ロシアの海運の安全性をどのように評価されていますか。

 必要性に応じて、どの国にも独自の海運の特徴があります。ロシアは太平洋沿岸のウラジオストクからバルト海までのびる巨大な国で、原油や鉱物資源を輸出しています。したがいまして、広大な領域に対する大きな責任を考えますと、国際輸送がいかに重要かがわかります。政府レベルの中央管理などの構造を含め た、海運の一連の管理に、確固たるまた強固な基盤が築かれていると感じます。また海運分野の活動を確保するための主要な機関や条件がつくられ、ビジネスに必要な基盤はしっかりと敷かれています。

 

2008年の金融危機後の海運はどのような状態になっているとお考えですか。不況を克服したと言えるでしょうか。

 海運はいまだにとても困難な状態にあると考えます。輸送に対する需要は急減しましたが、新たな船舶の建造はこれまで通り続いています。つまり船舶の需要 と供給が一致していません。しかしながら将来的には経済が再び成長し、発展するでしょうから、海運と船舶建造自体は有望な事業です。

 短期的な見通しとしては、しばらくの間不況と闘わなければなりません。海運業は特に、燃料の硫黄含有量を減らすなどの環境分野の新たな要求事項を順守するため、資金調達を必要としています。船舶の燃料の硫黄含有量について、我々はより厳しい規制を適用しています。さらにバラスト水の規制もあります。バラスト水管理条約が近い将来発効されることを願っていますが、船舶所有者が既存の船舶を改修し、新しい技術を導入するためには、高額な資金を必要とします。

 このとても難しい状況の中で、海運への低い需要と船舶建造へのたくさんの提案の不一致の問題も克服しなければなりません。これは入念な分析を必要とする 問題のひとつです。また金融機関は環境保護の規則を順守するに十分な資金を与えなければいけませんから、その役割はとても大きくなります。これは事業投資ではなく環境投資です。環境規制に従う側にとってはさらなる金銭的負担になりますが、世界のどの国の経済も成長を続けていますから、近い将来、この困難な 状況を乗り越えられるよう願っています。

 

元記事(露語)