ロシアの化学会社「フォスアグロ」の化学クラスター(化学集積)に、年間76万トンの生産能力を有する新たなアンモニア・プラントを建設するための契約が結ばれた。=写真提供:ロシア新聞
「フォスアグロ」社と「三菱重工」などからなる国際コンソーシアム
このプロジェクトへの投資総額 は7億8500万ドル(約785億円)。国際コンソーシアムには日本の「双日」と、建設を担当するロシアの建設会社「ルネッサンス・コンストラクション」 が含まれている。
アンモニア技術のライセンサー(使用許諾を与える側)は、業界トップの世界的エンジニアリング企業「ハルダー・トプソー」(デンマー ク)。
年産76万トンのアンモニア・プラントを建設
プラントは最新技術を駆使したものとなり、原料とエネルギー資源の消費、労働生産性、オーバーホール間隔、環境への影響レベルといった指標が、世界最高基準に合わせられる。エネルギー効率の良い新しいプラントでは、天然ガスの消費率がロシアの業界平均指標よりも20%少ない。
契約書の署名式には、デニス・マントゥロフ・ロシア産業貿易相、松山政司外務副大臣、オレグ・クフシンニコフ・ヴォルゴグラード州知事、ロシア化学者連盟の副理事長でフォスアグロ副社長を兼務するアンドレイ・グリエフ氏などが出席した。
スポーツ談義も
この後、グリエフ副社長と松山副大臣の会談が行われ、国際技術協力の発展以外にも、ロシアの格闘技の発展について話が及んだ。グリエフ副社長は、サンボと柔道の元選手、国際レベルのスポーツ・マスター、ロシアの功労トレーナーで、青年選手権で優勝、ソ連人民スパルタキアーダで銀メダル獲得、サンボ世界選手権で入賞した経験を持っている。
会談の席では、フォスアグロ社がロシアで有名な学校「サンボ70」を支援していることを話した。この学校はサンボや柔道の選手を多数輩出しており、その中にはロンドン五輪で銀メダルを取ったアレクサンドル・ミハイリン選手も含まれる。
グリエフ副社長は、自身の息子も 同校で学んだことを話して(息子のアンドレイさんも会談に同席)松山副大臣を同校に招待し、お礼に「2014年日露武道・格闘技交流年」のイベントに招か れた。
日露経済協力の一環
松山副大臣は、フォスアグロ社と三菱重工の契約が、日露経済協力関係を深める政策の一環であることを強調した。安倍晋三首相は4月に訪露した際、両国関 係の発展を優先課題の一つとしていた。プーチン大統領と安倍首相の会談では、ロシアのプロジェクトに日本の経済界が請負企業として参入するための、投資およびエネルギー分野での協力に関する一連の共同文書に署名が行われた。
マントゥロフ産業貿易相は署名式の終了にあたり、参加者であるクフシンニコフ州知事、松山副大臣、双日の吉村剛史執行役員、グリエフ副社長に感謝の意を表した。
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