ゲーム人気が映画を上回る

ゲームが映画の人気を上回る現象は世界的なものだ =グリゴリー・スィソエフ/ロシア通信撮影

ゲームが映画の人気を上回る現象は世界的なものだ =グリゴリー・スィソエフ/ロシア通信撮影

ロシアとCIS諸国はオンライン・ゲームに、あわせて13億ドル(約1300億円)を消費した。この金額は、これらの国で販売された映画鑑賞券の総販売額よりも多いが、アメリカのオンライン・ゲーム消費額の11分の1にすぎない。

 ロシアの大手インターネット会社「メール・ル・グループ(Mail.ru Group)」の計算によると、CIS諸国(ウクライナは除く)のロシア語話者は、コンピュータ・ゲームに408億ルーブル(約1260億円)を使ったと いう。これは、ゲームの購入または登録、アーティファクト、レベルなどの取得にかかる代金だ。ロシアの映画調査会社「ロミル・ムービー・リサーチ (Romir Movie Research)」の調査では、ロシア・CISの映画産業の年間配給収入が393億ルーブル(約1215億円)と、ゲーム市場を下回った。

 

世界的傾向 

 ゲームが映画の人気を上回る現象は世界的なものだと、メール・ル・グループのウラジーミル・ニコリスキー副ゲーム本部長は説明する。コン ピュータ・ゲームの昨年度の収入が22%増だったのに対し、映画配給は10%にとどまっている。アメリカの市場調査会社「NPD」によれば、アメリカで昨 年コンピュータ・ゲームに費やされた額は148億ドル(約1兆4485億円)で、アメリカの映画調査会社「ボックス・オフィス・モジョ(Box Office Mojo)」によると、映画に費やされた額は108億ドル(約1兆570億円)だった。

 ゲームと映画は技術やグラフィックなどが似ているため、映画産業はゲームの最大のライバルだという。ロシアでゲームが映画産業を超えたのは1~2年前だ と、ロシアのゲーム会社「ニヴァル(Nival)」のゲーム開発者、セルゲイ・オルロフスキー氏は話す。ロシアでは昨年、コンピュータ・ゲームに 15~20億ドル(約1450~1960億円)が投じられた。

 映画産業とゲーム産業は、消費者の時間と資金を奪い合っているだけでなく、専門家獲得の競争もくりひろげているという。ロシアの投資会社「IMI.VC」のイーゴリ・マツァニュク氏は、ロシアの消費者がコンピュータ・ゲームに気楽にお金を使うと話す。また、オルロフスキー氏は、国内の映画産業とは異なり、主なロシアのゲーム開発者は、海外のゲーマーからも収入を得ていると言う。

 

最大の敵は海賊版 

 DVDやインターネットでの映画販売額を、メール・ル・グループの専門家はしっかりと把握することができなかったと、ニコリスキー氏は打ち明けた。家電 販売チェーンの「M.Video」の評価では、DVDとブルーレイのロシア市場が昨年、30億ルーブル(約93億円)を売り上げたという。ロシアには映画 がどれほどオンラインで販売されたかというデータはない。

 イギリス系監査法人「プライスウォーターハウスクーパース(PwC)」の計算によると、ロシア人は1年で120億ドル(約1兆1800億円)を娯楽(趣 味・教養)に使い、コンピュータ・ゲームはその中で5位を占めているにすぎない。PwCのロシア・ゲーム市場への評価は2011年14億ドル(約 1400億円)で、メール・ル・グループの11億ドル(約1090億円)よりも少し多くなっている。

 昨年度の娯楽(趣味・教養)部門の1位は、雑誌と新聞の690億ルーブル(約2150億円)である。また2位は書籍の600億ルーブル(約1900億円)だった。音楽に費やされた費用はわかっていない。

 「アクティヴな人は映画もたくさん見るし、音楽もたくさん聴くし、楽しむことが好きなんだ。映画の競争相手はゲームではなく海賊だ」と、ロシアの映画館「シネマ・パルク」のセルゲイ・キチン社長は話す。

 

記事全文(露語)