ロシアの不思議4「気質」

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 ロシアには日本人の私たちが知らないことがまだまだたくさんある。そこで、日本人の私がロシアで暮らして感じた、ロシアの不思議なところ、面白いところをいくつかのテーマに分けて紹介したい。4回目の今回は、ロシア人の「気質」に焦点を当てよう!

 ロシア人、と聞くとみなさんはどのような人々を思い浮かべるだろうか?個人主義。少し怖くて仲良くなるのが難しそう。堅実そう。女の人が美人で強そう。排他的。などなど私の知り合いからは声が挙がったが実際ロシア人とはどういう人々なのだろうか。ロシアに実際に訪れ、ロシア人と親交のある人たちに話を聞くと、ロシア人って思っていたよりも優しい人たちだよね、という話を聞く。私もロシアに来る前までは、ロシア人はあまり笑顔を見せない冷たい人たちなのかな、少し怖いなと思っていた。しかしロシアに来て、ロシア人の生活を見て、ロシア人と一緒に生活してみるとそのイメージは一新されたのである。

 

ロシア人に聞いた「ロシア人」とは?

 何人かのロシア人にロシア人とはどういう人たちなのか聞いてみた。すると、いくつか同じ意見が見られたのでまとめて紹介しよう。

  「ロシア人はある面から見ると、陽気でうんざりするようなろくでなしで怠け者ばかりです。しかしそこに悪気があるわけではありません。時としてその気質が社会に悪影響を及ぼすこともありますが…。ロシア人はたくさん働きますが、働くことを怠けているため、結果は大変少ないです。その上、誰よりも自分は働いていると思っており、成果よりも多くの給料と尊敬を得ています。ロシア人は仕事にデッドラインを持っていません。全てを最後の瞬間に行い、結局間に合わず、理由を自分以外の他の人に探してしまいます。 また別の面から見ると、ロシア人はとても有能で勤勉です。常により良く生きることを望み、新しい目標を立てます。ロシアに関するステレオタイプの半分以上は嘘です。ロシア人はしかめっ面ではありません。とてもよく笑います。また気前が良くお客好きです。調味料から家電まで、お隣さんの必要なものならなんでも貸すし、お客さんをよく呼んでお茶をします。ロシア人は頭の回転が速く、思考が自由なのです。このような特徴は非難することもできるし、同時に愛することもできるでしょう」

 

日本と違う?ロシア人の気質

 ロシア人は微笑まないとよく言われる。一見するとその通りである。レストランでもスーパーマーケットでも、店員はお客さんに対して笑顔を見せない。日本では「笑う門には福来たる」というように、常に明るく笑っていなさいというような慣習がある。一方でロシアでは「Смех без причины - признак дурачины(意味のない笑顔はバカの印)」というように、理由のない笑顔はおかしいものなのである。

 しかし、一度仲良くなると、ロシア人は実によく笑う。それも気持ちいいくらい豪快に。また、ロシア人は褒め上手だ。何か小さなことをしただけでとっても褒めてくれる。みんなの前で何か披露したあと、みんなが口々に絶え間なく堰を切ったように褒めてくれるものだから、なんだか恥ずかしくなる。友達の家に遊びに行くと、たくさんの料理とたくさんのケーキをお供に、お母さんは子供がいかに可愛くて、良い子か熱弁する。また、ロシア人は誰かれ構わず聞く。この家はどこですか?このバスはどこに行きますか?明らかに外国人であろう私でも数え切れないほど聞かれた。

 ロシアではレディーファーストが徹底している。ドアは開けて先に通してくれるし、重い荷物を階段で運んでいるとき、通りすがりのロシア人が階段の終わりまで持ってくれる。しばらく行ってまた階段が続くと分かれば、引き返してきてまた荷物を運んでくれる。日本にいるときの癖で、目上のロシア人が先に入り口に入るのを待っていたら笑われたし、友達と歩いているとき大して重くもないカバンを「持つよ」と言われて、「私のカバンだからいいよ」と断ったら「なんで?」とキョトンとした顔で聞き返された。

 それからロシア人は時間にルーズ…かもしれない。もちろん人それぞれだと思うが私の体験談を話せば、私が5分ほど遅れたので申し訳ないと思って急いで待ち合わせ場所に行ったのだが、6人のロシア人のうち誰1人として到着していなかった。別の体験談を話すと、待ち合わせ時刻の3分前に到着して、着いたよと連絡したら、「女子は遅れてくるもんだ」と諭された挙句、相手は15分も遅れてきた。

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優しいロシア人

 ロシアに初めて来た人の話を聞くと、ロシア人は優しいという言葉をよく耳にする。ロシア語が話せなくても、英語が通じなくても、結局みんな助けてくれる。自販機で飲み物を買おうとして、お金を入れたら、商品が引っかかって上手く出てこなかった(こういうことはたまにある)。後ろにいたお兄さんたちを振り返ったら、自販機を揺らして、引っかかった商品を落とそうとしてくれた。それでも落ちてこなかったので、お兄さんは自販機にお金を入れて、私が買おうとしていた番号を押し、それで、引っかかっていた私の商品も一緒に落としてくれた。お礼を言ってお金を払おうとしたら「いらないから大丈夫だよ」と一言。

 助けを求めれば、必ず最後まで助けてくれるのがロシア人だ。空港でお客さんが貧血を起こしたとき、バスの中で男の人が倒れてしまったとき、すぐにみんなが駆け寄って、椅子を譲るよう、医者を呼ぶように叫ぶ。バスに乗って、カードの中の残金が足りなかったとき、後ろのおばさんが「一緒に入っちゃおう」と耳打ちしてくれる。なぜかバスの車庫まで来てしまったとき、オロオロしていた私にどこに行きたいのか、どこに行けば良いのか自ら進んで教えてくれたお姉さん(顔は全く笑っていない)。お金が足りなくてバスに乗れないお年寄りを見て、車内からお金を払ってあげるお兄さん。ロシア人の気質は、彼らの素晴らしい文化、様々な時代を乗り越えた歴史、美しいけれど厳しい気候風土が合わさって生まれたおおらかさ、懐の広さが魅力だな、と個人的に感じているところである。

 

番外編:日本とはどんな国?

 日本をあまり知らないロシア人は、日本をどのように思っているのだろうか?色々な意見があったが、これも短くまとめて紹介しよう。

 「日本はコントラストのある国です。長い伝統、彫刻された屋根のついた美しい家、竜の置物、完璧で美しい自然、柔らかなピンク色の桜の花のすぐ隣には、世界でも有名な地下鉄、最も発展したインフラ設備、整然とした緑の公園、ガラスとコンクリートでできた高いビル。日本人はとても気品があり誇りを持っている民族だと思います。またとても勤勉で我慢強いと思います。彼らには、私たちとは全く異なる人間関係、異なるユーモア、異なる礼儀作法があり、個人間の空間認識はとても重要です。日本人はとてもたくさんいて、大声でしゃべります。若者は特に派手で鮮やかで、いろいろな色の髪の毛をして、アニメの登場人物のような服を着ます。大人は理想的できちんとして見える服を着ていて、厳しく責任感があります。彼らにとって仕事とは人生の意味であり、彼らはみんな譲り合い、ありとあらゆる方法で助け合います。しかし日本人は残酷にもなりうると思います。彼らにとって1番大切なのは法律であり、人間的な慈悲ではないと思います」

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