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2015年夏、ロシア・プレミアリーグのスター選手であるアナトリー・ティモシュチュク(36)が、ロシアの国営天然ガス企業「ガスプロム」が主催する国際青少年イベント「友情のためのサッカー」(フットボール・フォー・フレンドシップ)に、生まれ故郷のウクライナ西部ルーツィク市のジュニアチームを率いて参加、チームを決勝トーナメントに導いた。このイベントは、6月4日から6月7日までドイツの首都ベルリンで、UEFAチャンピオンズリーグ決勝を前に行われた。ロシアNOWへのインタビューでティモシュチュクは、青少年スポーツの育成における、モチベーション向上について語るとともに、スポーツは、政治的危機に際して、相互理解のために大いに役立つと述べた。
―2018年FIFAワールドカップ・ロシア大会に関連し、青少年スポーツの促進に関して、多くの議論が行われると思われますが、経験豊かな選手たちのプレーが、青少年をどれだけインスパイアするでしょうか?
プロ選手とジュニアのトレーニングがレベルに応じて異なるのは当然で、それゆえ、私の所属する「ゼニト・サンクトペテルブルク」では、合同トレーニングは行われません。しかし、私の個人的な経験では、子どもがマスタークラスのトレーニングに参加することは、プロを目指すモチベーションの向上に非常に役立つと思います。誰もがプロ選手になれるわけではありませんが、こういう場でサッカーをした経験はかけがえのない記憶として残ります。
私は常に社会活動をサポートするようにしています。青少年の成長にとって最も大事なことは、様々な国の選手とコミュニケートすること、そして、新たなことに気づき、いろいろな感情を体験することです。
「友情のためのサッカー」
―有名選手の参加は、この種のイベントの成功の鍵だと思いますか?
私たちは当然ながら一人ひとり違います。ですから一番大事なのは、自分自身を理解すること、可能性を自ら把握すること、自分なりの強みを持つことです。有名アスリートは成功体験があり、それが、青少年のモチベーションをあげて、成長を促すことが出来ますし、彼ら自身とその生活をより素晴らしく健康的なものにしてくれるのです。
―ウクライナのチームは、このイベントに二度目の参加をしました。ウクライナのチームがロシアのプロジェクトに参加することで、昨今の政治問題に果たす役割はどう考えますか?
私は、サッカーはサッカー、政治は政治であるべきだと思います。サッカーでは、90分間、2つのチームが勝利を目指して戦うわけですが、ウクライナは国際大会に参加できますし、ロシアのチームもウクライナの大会に出場することが出来ます――いずれのチームも同じ条件で。ワールドカップがいい例です。イングランドとアルゼンチン、フランスとドイツ、ロシアとウクライナが対戦することがあり得るのです。おそらく、サッカーは政治家にとって両国間の関係を考えるのによき例となるのではないでしょうか?
―2018年のW杯ロシア大会が、ロシアのスポーツ振興、特に青少年スポーツに及ぼす影響はどうお考えですか?
私は、2006年のドイツ大会にウクライナ代表として参加しました。だからこそ言えるのですが、サッカーの人気は、こういうサッカー大国でさえ更に上がっているということです。W杯のレベルはロシア・サッカー史上初めて体験するものですし、だから、ロシアの実力を世界に発揮してみせるだけでなく、ロシア人すべてに興味をもってもらういいチャンスでしょう。
アナトリー・ティモシュチュク
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