上海の世界選手権が間近

アイスダンスのエレーナ・イリイヌィフ=ニナ・ゾチナ撮影/タス通信

アイスダンスのエレーナ・イリイヌィフ=ニナ・ゾチナ撮影/タス通信

フィギュアスケートの世界選手権が3月23~29日、中国・上海で開催される。驚くべきことに、2014年ソチ冬季五輪でメダルを獲得したロシアの選手のうち、この大会に出場するのは1人だけである。誰が代わりに表彰台に立つことになるのか、五輪後の世界選手権でロシアは何を期待できるのか。

 ソチ五輪でロシアのフィギュアスケート選手は大いに輝いた。出場した15人の選手のうち、メダルを獲得できなかったのはわずか4人(ペア1組とアイスダンス1組)。11人のメダリスト全員がキャリアの延長を発表した。ソチを去った直後に手術を受けた男子シングルのエフゲニー・プルシェンコでさえも。

 

ロシアのオリンピック選手はたった1

 だが上海の世界選手権に出場するのは、アイスダンスのエレーナ・イリイヌィフのみ。相手も昨年の夏からコンビを組み始めたルスラン・ジガンシンだ。ソチで活躍したアイスダンスのエカテリーナ・ボブロワとドミトリー・ソロビヨフ組は五輪後、ソロビヨフのケガにより、大会にはまったく出場していない。

 女子シングルのソチ五輪メダリストであるアデリナ・ソトニコワとユリヤ・リプニツカヤも中国には行かない。ソトニコワは足首のケガによってロシア選手権や2014/15グランプリシリーズすべてを見送ったが、まだ完治していない。リプニツカヤは成長に伴う明らかな問題があったにもかかわらず、シーズンの滑り出しは好調だった。だがロシア選手権では思い通りの演技ができず(結果は9位)、ヨーロッパ選手権および世界選手権の切符を手にすることができなかった。ソチ五輪団体戦で新たな金メダルを手にしたプルシェンコは、アイスショーに熱中しつつ、再び競技を離れた。

 ソチ五輪のペアでロシアの強さをアピールした選手もまた、上海へは行かない。マキシム・トラニコフは肩の手術を受けた後、リハビリを続けており、タチアナ・ボロソジャルとはアイスショーへの出場にとどめている。クセニヤ・ストルボワとフョードル・クリモフ組は、ヨーロッパ選手権で結果を出せずにそのままシーズン終了を決めた。

 それでもロシアの専門家はロシアNOWの取材に対し、新しくなったロシア代表が世界選手権で活躍できると考えている。

 

リュドミラ・ヴェリコワ、ロシアの名誉コーチ「羽生には勝てない」

 「ペアで表彰台にあがるロシア代表は1組だけではないか。とはいえ、すべてのロシアのペアがメダルを狙える。欧州選手権で金メダルを獲得した川口悠子とアレクサンドル・スミルノフ組は、上海でも得意のスロー4回転サルコウを見せるだろう。若きエヴゲニヤ・タラソワとウラジーミル・モロゾフ組のショート・プログラムは、現時点でロシア最高だと思う。

 アイスダンスではアレクサンドル・ステパノワとイヴァン・ブキン組にすべてを成功させてほしい。非常に良い滑りだし、文化的で美しい。アイスダンスの競争は激しいため、ロシアの選手が表彰台にあがるのは容易ではない。それでも実現できるのではないか。それはステパノワ・ブキン組かもしれないし、イリイヌィフ・ジガンシン組かもしれない。

 男子シングルではセルゲイ・ボロノフが良い選手だと思うが、どれほどボロノフが(または他の選手が)うまく滑ったとしても、日本の羽生結弦が氷上にあがると、他の選手は敗北する。とにかく才能がある。

 女子シングルではロシアの選手に表彰台を狙う権利が十分にある。アレクセイ・ミシン・コーチの教え子のエリザヴェータ・トゥクタムィシェワが優勝することを願う。コーチともども、他の誰よりも優勝に値する」

 

タチヤナ・ミシナ、ロシアの名誉コーチ「リプニツカヤは自分を変えないと」

 「ロシアの女子シングル3選手すべてに優勝のチャンスがある。まずはトゥクタムィシェワとエレーナ・ラジオノワ。リプニツカヤについては、戻ってこれるチャンスは常にある。どんな選手にだってスランプはあるのだから。リプニツカヤはもう大きな大会で活躍できないなんて言ってはダメ。ただ、何かを変える必要はある。多分、自分自身も含めて。本人の頭の中にたまってしまった名声の受け止め方と、名声に関連するすべてを変えるべきなのかもしれない」