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アスリート達のユニフォームはトップ・デザイナーにより作られ、そのデザインは話題を呼ぶ=ロシア通信撮影

アスリート達のユニフォームはトップ・デザイナーにより作られ、そのデザインは話題を呼ぶ=ロシア通信撮影

近年、オリンピック開会式の国代表団の行進はファッションショーと化している。アスリート達のユニフォームはトップ・デザイナーにより作られ、そのデザインは話題を呼ぶ。時には、オリンピックのユニフォームをめぐって国中が騒ぐスキャンダルになったこともある。

ロシア選手団・伝説の美女達と英雄達 

  2014年冬季オリンピックの開催国であるロシアは地元色と個性を融合したスタイルで新しいトレンドを引き起こそうとしている。今回はレトロや派手な虚飾はない。ポイントは、便利性、快適さ、最新の製造技術…そしておとぎ話だ。

  年末開かれたロシア代表団のオリンピック・ユニフォーム正式発表会に出席した多くの人々は、色彩の豊かさに驚いた。毛皮の縁取りが付いた女性用のダウンのコートはロシアの国旗の青、白と赤色で、民族模様がついている。ロシア版サンタクロース(マロースじいさん)の美しい孫娘スネグーロチカ(雪娘)にそっくりだ。男性 は天然の羊皮の縁取りが付いたダブルのコートに、ロシアの伝統的な耳覆いの付いた帽子という格好。

 選手村や開会式以外の場面で選手達が着用するソチ2014コレクションは、今までのデザインとかなり異なる。これまでの大会でロシア人は伝統的な模様と不 死鳥の羽根が描かれたジャケットを着ていたが、今回はRUという文字が大きく目立っている。RUとは国際的に知られたロシアの省略記号である。同時に、これらの文字はペガサスとグリフォンというおとぎ話の登場人物のシルエットにも見える。彼らは幸運をもたらすとされ、2012年に公表された。

 

チャンピオンのユニフォーム 

 ロシアのオリンッピク・コレクションのもう一つの特徴は、メダル表彰式の時だけに着る特別なユニフォームだ。スタイリッシュなダウンのジャケットには ロシアの国旗の色があしらわれた。しかし、限定品であるため、ロシア代表団の選手にだけ支給され、一般向けの販売は行なわれない。

  ロシア人オリンピック・メダリストで以前アイスホッケーの世界チャンピオンだったパーヴェル・ブレは新しいユニフォームを褒めちぎった。「代表団のユニフォームのプレゼンテーションと、選手達がユニフォームを手渡されるセレモニーは選手にとって、感極まるイベントです。ユニフォームを受け取った時、もうすぐオリン ピックだ、という実感がようやく沸くのです。そして初めて袖を通す時、チームの一員という自負を感じ、連帯感が生まれます。自分と国には切っても切れない 繋がりがあると気付きます」

 

明るい色と愛国心溢れる模様 

  ロシアのユニフォームはこれでお分かりだろうが、他の国の代表団はどうだろうか。ドイツ勢は、明るい色で何億人ものテレビ視聴者の気を惹こうという考えのようだ。当初、ドイツの虹色のユニフォームは国際社会をやや驚かせた。ドイツのオリンピック委員会は、虹色を選んだ事に政治的意図はない、と説明しなければ ならなかった。委員会が発表したプレスリリースによると、虹色は「ソチの風景」を反映したものだ。ブルーは黒海の水の色、黄色は太陽と砂浜の色、緑はヤシの木の色で白はカフカスの山脈の色だという。

ユニフォームは愛国心とスポーツをダイナミックに融合したものだ=ロシア通信撮影

  一方、アメリカ勢は論争を避けた。ロンドン五輪でユニフォームを担当したラルフ・ローレンが今回もデザインした。愛国心のあるアメリカ人の中には、中国製 の2012年のユニフォームに不満をいだく人もいたため、今回はアメリカ製にすることになった。開会式と閉会式のユニフォームは愛国心とスポーツをダイナミックに融合したものだとされる。選手村で着るものは、ポロシャツの上に明るい色のウールのセーター、そしてアウターはフリース。毛糸の帽 子、手袋、スカーフ、ナイロンのバッグやジャンプスーツにはアメリカの国旗とオリンピックのシンボルが施されており、閉会式用に限定品のポロ・ベアもあ る。

 

2012年ロンドン大会のファッション 

 最近イギリスの首都で行なわれた五輪で、オートクチュールを着用した他の代表団を振り返ってみよう。イタリアのデザイナー、ジョルジオ・アルマーニはサッ カー・チームのチェルシーとインテルナツィオナーレ・ミラノのユニフォームを作っており、イタリアのオリンピック代表団にも特別にコレクションをデザイン した。コレクションにはユニフォームのみならず、スーツケースを含む50のアイテムがあった。イタリア代表団の服の内側には、国歌の歌詞の一行目が刺繍さ れていた。面白いことに、イタリアのヨット・チームはミウッチャ・プラダにユニフォームのデザインを頼んだ。

  ロンドン五輪を開催したイギリスは、ステラ・マッカートニーに白羽の矢を立て、彼女は有名なスポーツ衣料品ブランドと提携した。彼女は2年間かけてユニオン ジャック(英国国旗)を元にした模様をあしらった代表団ユニフォームを作った。鋭いイギリス人は、国旗の赤色が彼女のデザインでは他の色に 埋もれてしまったと指摘する。

  ロンドン大会では緑、黄色と黒の取り合わせが人気だった。ジャマイカ代表団のユニフォームはボブ・マーリーの娘、セデラ・マーリーがデザインした。 1970年代と80年代のジャマイカの音楽と文化が彼女のインスピレーションとなった。さらに彼女は、ジャマイカのアフリカのルーツも取り入れた。ジャマ イカ代表団コレクションには様々なドレス、フレアのスカートとシングルのジャケットが含まれた。プレゼンテーションに起用されたのは地球最速のスプリン ター、ウサイン・ボルトだった。