コメルサント紙撮影
ムルタザリエフ氏は、IOCのジャック・ロゲ会長宛てに次のような手紙を書いた。 「メダルの返上を決心するのは大変なことでした。しかしながら、深く考えた結果、偉大なるブルガリアのワレンティン・ヨルダノフ氏の後に続くことに決めました。これはIOC執行委員会が最近、レスリングを五輪競技からの除外候補にしたことに対する抗議の意を表したものです」。
-金メダル返上は効果的ではありますが、象徴的な部分がやはり大きいのではないでしょうか。五輪競技にレスリングを残す現実的な対策として、何が求められると思いますか。
レスリング連盟の幹部は恐らく、すでに何らかの動きを取っているでしょう。私の抗議は人間的な行動、五輪チャンピオンの姿勢です。金メダルを手放すのは大変だろうと言われますが、国の金メダルのひとつに別れを告げることで、この競技を五輪に残し、ロシア連邦とダゲスタン共和国に新たな数千個のメダルをもたらすことができたら本望です。この考えにすべての五輪チャンピオンが賛同し、それによってきっと国際オリンピック委員会(IOC)を動かせるだろうと考えています。
-他の五輪チャンピオンも、あなたと同じ行動をとるとお考えなのでしょうか。
私は、レスリング選手も、ほかのどの競技も、尊敬しています。私は、五輪チャンピオンの心、スポーツ選手の心を知っているつもりです。
例えば、五輪チャンピオンで、7回も世界チャンピオンになっているブルガリアのワレンティン・ヨルダノフ氏も、同じように抗議の意を表して、五輪メダルを返上しました。ヨルダノフ氏は気高く行動したと思います。
五輪のメダルを目指して日々レスリングに励む子供たちを失うのは、控えめにいっても正しいことではありません。IOCのメンバーが、五輪チャンピオンの声に耳を傾けることと期待しています。これは私だけの意見ではないわけですから。
-五輪競技から除外されると、そのスポーツは発展しなくなるとお考えなのでしょうか。
私はそう考えます。五輪で結果を残すという目標が、実際に練習している子供たちのモチベーションになっているのです。フリースタイル・レスリング、グレコローマンスタイル・レスリング、あるいは女子レスリングが五輪から消えたら、このようなモチベーションはなくなり、新たに始めようとする子供が道場に来なくなってしまうでしょう。
「ロシアの声」から転載
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